2014.04.01

苦境の香川真司は、マンUで何をすべきか?

  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 香川真司は現在、マンUで精神的にきつい時期を過ごしていると思う。焦りもあるはずだ。そういうときは、コンディションがいいわけがない。だから、先日のニュージーランド戦(3月5日)で実戦経験を積めたことは大きかったと思う。

3月5日のニュージーランド戦でゴールを決めた香川真司 サッカーにおいて重要なことは、素早く判断し、状況に応じて正しいプレーをしていくこと。香川はそういう部分がとくに優れている。コンディションのいい時には迷いなくそれができる。ただ、選手というのは、迷いがあるときは積極的になりすぎるか、消極的になりすぎるか、両極端になりがち。NZ戦の香川は、プレー内容が積極的になりすぎていたが、周りとうまくやろうとか、消極的になって逃げのパスになるよりはよかったのではないか。PKだったが、点を取れたことも好材料だった。

 香川は、マンU移籍後フル出場することがあまりないので、90分間プレーすることが体に染み込んでない部分はたしかにあるだろう。NZ戦の香川のプレーから感じたことは、その点で焦りがあるのかもしれないということだった。

 たしかに、試合に出ていなくても厳しいトレーニングはしているだろう。とはいえ、実戦に勝るトレーニングはない。90分間のペース配分やプレーのメリハリは、実戦経験がないとなかなかできない。うまく体力を温存しておいて、大切なところでフルパワーを出す、それは実は勇気がいることで、精神的に余裕がないとできないことでもある。

 今の香川は、確固たる自信を持ちづらい状態。一番いけないのは、ちょっとミスしただけで弱気になって、「おかしい」「もう少しできるはずだ」「今日は変だ」と思って、自らリズムを崩していくこと。

 トップレベルになればなるほど、メンタルが影響する部分が大きい。メンタルといっても根性論ではない。技術と体力のなさをメンタルでカバーするのではなく、あくまでも、技術や体力を兼ね備えたうえで、それを引き出すのが精神力ということだ。反対に、本来あるはずの力を発揮できなくなってしまうのも、メンタルの問題といえる。