ブレイクの予感。今季Jで注目すべき3人の「仕事人」 (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹、藤田真郷●撮影 photo by Sano Miki,Fujita Masato

 その他では、鹿島アントラーズのMF遠藤康(25歳)の名前も挙げておきたい。

チーム3連勝の原動力となっている鹿島の遠藤康。チーム3連勝の原動力となっている鹿島の遠藤康。 開幕戦から2試合で3ゴールを量産し、現在得点ランクのトップタイに立つ遠藤。内田篤人、槙野智章らを擁し、2007年U-20W杯でベスト16に進出したU-20日本代表の候補にも名を連ねる有望株ではあったが、当時はJリーグで目立った活躍を見せることはなかった。

 それでも利き足の左足から放たれる強烈なキックと、抜群のキープ力を武器にじわじわと台頭。主に右MFを務めるレフティは、右サイドから中央へドリブルでカットインし、左足でミドルシュートというパターンを得意の型としており、現在では名門アントラーズの攻撃に欠かせぬ中心選手となっている。

 J初ゴールを決めた2010年シーズンの2ゴールから、3、6、7と、着実に年間最多ゴールの自己記録を伸ばしてきた遠藤。今季はここまで、記録更新はもちろん、自身初のふた桁ゴールも間違いないと思わせるだけの活躍を見せている。

 ここに挙げた3選手は、小林が1987年生まれで、塩谷と遠藤はともに1988年生まれと、年齢的に言えばもはや若手と呼べる選手ではない。しかも、すでに昨季以前から所属クラブでは主力として活躍しており、シーズン序盤の活躍だけでブレイクを期待するのも適当ではないのかもしれない。

 とはいえ、彼らのように着実に力をつけている中堅選手というのは、日本サッカーのレベルアップという点においては貴重な存在。しかも、日本代表選手にスポットライトが当たりがちなJリーグにあって、彼らのような選手に注目することはJリーグを見る新たな楽しみにもつながるだろう。

 20代なかばの大ブレイク。今季J1のキーワードになりそうだ。

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