Jリーグ史上初の無観客試合、選手と監督が語った「決意」
今年22年目を迎えたJリーグに、また新たな歴史が刻まれた。それも決してあってはならない負の歴史が。
3月23日、埼玉スタジアムでの浦和レッズ-清水エスパルス戦が、Jリーグ史上初となる無観客試合として行なわれた。2週間前、同じ埼玉スタジアムで行なわれた浦和-サガン鳥栖戦で浦和サポーターが掲げた横断幕「JAPANESE ONLY」という人種差別的メッセージに対する処分である。
観客席に誰もいないスタジアムで浦和と清水の選手たちは対戦した FIFAが「NO RACISM(人種差別反対)」というキャンペーンに取り組んでいるのをはじめ、世界のサッカー界は人種差別撲滅に尽力している。当然、選手やサポーターによる差別的発言に対しては厳しい処分が科されてきた。
Jリーグが世界につながるサッカーファミリーの一員である以上、人種差別に無頓着では許されない。Jリーグ史上最も重い処分が科されたのは当然のことだ。
とはいえ、前例がないだけに、無観客試合がどれほどの重さを持つ処分なのかは分かりづらい。
試合を開催する浦和にとっては入場料をはじめ、数億円の収入を失うことになると言われるが、単にお金の問題なら、それと同額の制裁金を科すのと変わらないことになる。では、無観客試合を科すことの意味とは何か。
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