【高校サッカー選手権】注目の逸材は、優勝候補のキーマン5人
第92回全国高校サッカー選手権が12月30日に開幕する。
優勝候補筆頭は、高校総体優勝の市立船橋(千葉県)だ。ユース年代最高峰のリーグである『高円宮杯U-18サッカーリーグ2013』(※)を制した流通経済大付属柏(千葉県)を、高校総体決勝(4-2)に続いて、地区大会決勝(1-0)でも撃破。その実力に疑いの余地はない。
※『高円宮杯U-18サッカーリーグ2013』は、高校とクラブなど第2種登録チームのすべてが参戦し、ユース年代のトップを決めるリーグ戦。最高峰のリーグは、プレミアリーグと呼ばれ、EAST10チーム、WEST10チームで争われる(その下は、プリンスリーグ、都道府県リーグとなる)。そして、それぞれのリーグで1位になったチームがチャンピオンシップで激突する。2013年は、EAST1位の流通経済大付属柏が、WEST1位のヴィッセル神戸を下して頂点になった。
その牙城を崩す可能性があるのが、西の雄、東福岡(福岡県)。こちらはプレミアリーグWESTで2位に入るなど、年間を通して安定した強さを見せてきた。豊富な運動量を誇り、スタミナ勝負には自信を持っている。
この「2強」に続くのは、青森山田(青森県)、桐生第一(群馬県)、桐光学園(神奈川県)、星稜(石川県)、京都橘(京都府)、立正大淞南(島根県)、神村学園(鹿児島県)。それぞれ、質の高いサッカーを見せて、虎視眈々と上位進出を狙っている。
ただ、大会は何が起こるかわからない一発勝負の短期決戦。しかも近年、高校サッカー界の実力は拮抗している。前回大会も、V候補と言われた青森山田(青森県)や四日市中央工(三重県)などが早々に姿を消して、鵬翔(宮崎県)と京都橘(京都府)という、大会前はほとんどノーマークだったチーム同士が頂点を争った。今大会も、思わぬ番狂わせが続出し、意外なチームが優勝しても不思議はない。
そうした状況の中、将来を嘱望される逸材の活躍も見逃せない。とりわけ、注目すべきは優勝候補のキーマンでもある5人の男たちだ。
断然のV候補である市立船橋には、攻守を支えるふたりの"軸"がいる。ともにJ2の京都サンガへの入団が内定している、FW石田雅俊(3年)とDF磐瀬剛(いわせ・ごう/3年)だ。
大会ナンバーワンFWと称される石田は、豊富なアイデアを持つクレバーなストライカー。朝岡隆蔵監督も、その素質の高さを認める天才肌の選手だ。1年時に全国制覇を経験し、今年は高校総体優勝に貢献。U-18日本代表でも活躍するなど、経験値は高い。
磐瀬は上背こそないが、読みの鋭さと屈強なフィジカルで対応するディフェンダー。ボランチを含め、4バック、3バックをこなす器用さを持つ。キャプテンとしてチームを引っ張る存在で、彼が後方で安定した守備を見せられれば、勝利をグッと引き寄せることができるだろう。
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