2013.11.28

1試合1ゴール以上。実はスゴいぞ、今季の宇佐美!

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun photo by AFLO

「十分な活躍ができるのか?」

 今年6月、期限付き移籍先のホッフェンハイムからガンバ大阪に戻った当初、宇佐美貴史に向けられた視線は懐疑的なものが多かった。ところが、2年ぶりの国内復帰戦となった7月20日のヴィッセル神戸戦、2ゴールの衝撃的な再デビューでファンの度胆を抜くと、その後は1試合1得点以上のペースでゴールを積み重ねた。そして終わってみれば、わずか18試合で19得点。ゴールを荒稼ぎして最終的に得点ランキング2位まで上り詰めるという、強烈なインパクトを残したのである。

Jリーグ復帰後、怒涛のゴールラッシュを見せたガンバ大阪の宇佐美貴史 過去、試合数を上回る得点を取った得点王は、J1では1998年の中山雅史(27試合36得点/磐田)と、2004年のエメルソン(26試合27得点/浦和)しかいない。J2の歴代得点王ではその例はなく、近年の日本人選手を振り返れば、2008年の佐藤寿人(広島)が40試合28得点、2009年の香川真司(C大阪)が44試合27得点、2010年のハーフナー・マイク(甲府)が31試合20得点、そして2011年の豊田陽平(鳥栖)が38試合23得点である。今シーズンはジェフ千葉のケンペスが38試合22得点で得点王になったものの、その数字と比較しても、宇佐美の量産ぶりは群を抜いている。仮に全試合出場していれば、おそらく40得点は行っただろうと推測できるほどのラッシュぶりだった。

 いったい、宇佐美の何が覚醒したのか——。

 まず、大きかったのは、ドイツでの苦い経験による意識の変化だろう。

「バイエルンでは、結果が出せなければ、どんな選手でもポジションを失ってしまう。レギュラーの地位を確立しているリベリでさえ、アピールして努力している。FWでプレイする以上、結果がすべてという感じやし、それがないと生き残れない。そのドイツでの経験が、今の自分に生きていると思います」