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1試合1ゴール以上。実はスゴいぞ、今季の宇佐美! (3ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun photo by AFLO

 宇佐美にとって、今野をはじめとするチームメイトがプレイを理解し、支えてくれたことも、活躍できた大きな要因だろう。シーズン後半、宇佐美が警戒され、愛媛FC戦と栃木SC戦で連敗した後、長谷川監督は遠藤保仁をFWに起用した。遠藤に高い位置でゲームメイクを任せることで、宇佐美がゴールに集中できるようにしたのだ。そのサポートの結果、宇佐美の攻撃力は活性化され、カターレ富山戦では4得点を奪うゴールラッシュ。そして最終的には、チームをJ2優勝へと導いたのである。

「ヤット(遠藤)さんはいろんなところに気を配りながらやってくれるし、春(藤春廣輝)くんやフタ(二川孝広)など、みんなサポートしてくれるおかげで点が取れた。でも、もっと相手をぶち抜いていけたと思うし、もっと点が取れたと思うんで、まったく満足はしてない」

 プレイは成熟しつつあるが、とんがった気持ちは昔のままだ。

 来シーズンはJ1での戦いになるが、その先にはブラジルW杯もある。宇佐美は2012年、ブラジルW杯最終予選オマーン戦で日本代表に選出されるも、それ以降、招集されていない。先日のオランダ戦、ベルギー戦では、同じロンドン五輪世代の柿谷曜一朗(C大阪)、大迫勇也(鹿島)が結果を出し、山口螢(C大阪)も日本代表でのポジションを確固たるものにしつつある。

「代表、狙っていきますよ。来年のブラジルW杯に出たいし、W杯は夢やからね。もちろん、状況が難しいのは分かっているけど、J1で点を取りまくったら分からないし、呼んでもらえるぐらいに結果を出して、(ザッケローニ監督に)プレッシャーをかけていきたい。シーズン開幕後の2ヵ月が勝負やと思います」

 宇佐美は、すでに決意している——。

 今シーズン活躍した自信を胸に、来シーズンのJ1開幕からフルスロットルで飛ばし、ブラジルW杯のメンバー入りを果たす。その道のりは甘くないだろうが、今シーズンの宇佐美のプレイを見ていれば、それが現実になっても、何ら不思議ではない。

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