ザッケローニ監督の采配に注目。コンフェデグループリーグ展望 (3ページ目)
■油断できないロンドン五輪王者のメキシコ
3戦目のメキシコは、ブラジルやイタリアのようにワールドカップでの優勝経験こそないが、若い世代の世界大会で近年結果を残してきている(2011年のU-17W杯で優勝。同年のU-20W杯では3位)。昨年のロンドン五輪では優勝しており、決して油断できないチームだ。
ロンドン五輪の日本対メキシコ戦は現地で取材したが、メキシコはボール回しもうまいしフィジカルもかなり強い。攻守の切り替えも早く、コンフェデでもゲームを支配される可能性が高いだろう。
メキシコの選手は日本人と体格が似ていて小柄で、サッカーのスタイルも近いと思われがちだが、彼らのフィジカルは非常に強く、日本人よりもかなりがっしりしており、体幹が太い。DFとFWには大型選手も多く、今回のチームでもFWのヒメネス(ロンドン五輪優勝メンバー)は190cmある。パワーという点で、日本よりも上だと思ったほうがいいだろう。
FWにはエルナンデスというストライカーがおり、マンチェスター・ユナイテッドで一緒にやっている香川との対決は楽しみな点だ。アタッカーでは、ほかにロンドン五輪優勝メンバーのドスサントスにも警戒が必要だ。
メキシコ戦は3戦目ということで、ここまでの2試合の結果がどうなっているかによって、試合展開に影響があるはずだ。日本がすでに2勝しているのか、2引き分けか、2敗なのか。また、メキシコがすでに2敗しているのか、2勝しているのかで、メンバーが変わってくるだろう。
このグループリーグを勝ち上がることができれば、準決勝、決勝または3位決定戦と、合計5試合戦うことができる。1試合でも多く経験することがチームの成長につながることは間違いないので、ブラジル、イタリア、メキシコという強豪との対戦を、日本が勝ち抜いてくれることに期待したい。
今の日本代表が、世界のサッカーでどのレベルにあるのか。今回のコンフェデレーションズカップは、その立ち位置を見きわめる重要な大会になる。
著者プロフィール
福田正博 (ふくだ・まさひろ)
1966年12月27日生まれ。神奈川県出身。中央大学卒業後、1989年に三菱(現浦和レッズ)に入団。Jリーグスタート時から浦和の中心選手として活躍した「ミスター・レッズ」。1995年に50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王。Jリーグ通算228試合、93得点。日本代表では、45試合で9ゴールを記録。2002年に現役引退後、解説者として各種メディアで活動。2008~10年は浦和のコーチも務めている。
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