ザッケローニ監督の采配に注目。コンフェデグループリーグ展望
6月15日に開幕するコンフェデレーションズカップ。日本代表は世界の強豪を相手にどのように戦うのか? ブラジル、イタリア、メキシコと対戦するグループリーグの展望を福田正博氏が語った。
■注意すべきブラジル代表のカウンター
日本代表にとって、アジアでの戦いと世界での戦いには、決定的な違いがある。アジアでは日本が試合を支配できるので、守備を固めてくる相手をどう崩すかに比重が置かれていたが、世界では強豪に主導権を握られるケースが増える。そのため、相手に押し込まれたときにどうやって攻撃をはじき返すかという部分が要求されることになる。
日本は初戦で地元ブラジル代表と対戦する。ブラジルは、ベテランから若手へと主力が移行しつつあるが、その戦力はやはり世界トップクラスだ。日本にとって、ブラジルのホームでブラジル代表と真剣勝負ができるのは貴重な機会となる。
昨年の親善試合ではブラジルに完敗した日本。コンフェデではその経験を生かせるか? 前回ポーランドで対戦したとき(2012年10月16日)、日本はブラジルに4-0で完敗した。このときと同じことをやってはいけない。どうやって勝ちに導いていくか、ザッケローニ監督の采配に注目したい。
ブラジル代表で警戒すべきはやはりネイマールだろう。FWフレッジらとのコンビネーションだけでなく、個の力での突破も脅威だ。2006年のW杯ドイツ大会で対戦したときのロナウドのような強烈なセンターフォワードはいないが、オスカー、ルーカス、フッキなど、アタッカー陣のスピードとテクニックは世界トップだ。
そして、ブラジル代表のストロングポイントは、攻撃よりも守備にある。DFラインは非常に強固だ。チアゴ・シウバ、ダビド・ルイス(CB)、マルセロ(左SB)、ダニエウ・アウベス(右SB)の4バックはまさにワールドクラス。控えにはダンテもおり、この最終ラインを突破するのは容易ではない。
本田圭佑、香川真司ら、日本攻撃陣がブラジルDFを突破するために、運動量のアップと、ボランチやSBのサポートが不可欠になる。また、サイドバックの攻防も見どころで、長友佑都、内田篤人が、ブラジルの両SBにどこまで対抗できるか楽しみだ。
1 / 3
プロフィール
福田正博 (ふくだ・まさひろ)
1966年12月27日生まれ。神奈川県出身。中央大学卒業後、1989年に三菱(現浦和レッズ)に入団。Jリーグスタート時から浦和の中心選手として活躍した「ミスター・レッズ」。1995年に50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王。Jリーグ通算228試合、93得点。日本代表では、45試合で9ゴールを記録。2002年に現役引退後、解説者として各種メディアで活動。2008~10年は浦和のコーチも務めている。