2013.01.04

【高校選手権】準々決勝、破壊力ある桐光学園と京都橘に注目!

  • 粂田孝明(ストライカーDX編集部)●文 text by Kumeta Takaaki(STRIKER DX)

桐光学園の攻撃を引っ張るFW野路貴之(写真右)。photo by Matsuoka Kenzaburo 初戦から好カードが目白押しで、多くのファンが会場に足を運んでいる第91回全国高校サッカー選手権。そうしたスタンドのムードに後押しされてか、今大会は戦前の予想を上回る熾烈な戦いが繰り広げられている。

 特徴的なのは、伝統や地域性に関係なく、チーム力が拮抗してきたことだろう。その証拠に、四日市中央工(三重県)、野洲(滋賀県)、滝川第二(兵庫県)などの名門校をはじめ、優勝候補と言われた青森山田(青森県)や大津(熊本県)、そして「サッカー王国」と称される千葉県(八千代)や静岡県(常葉学園橘)の代表校が早々に姿を消した。代わって8強に顔をそろえたのは、立正大淞南(島根県)vs鵬翔(宮崎県)、星稜(石川県)vs東海大仰星(大阪府)、帝京長岡(新潟県)vs京都橘(京都府)、作陽(岡山県)vs桐光学園(神奈川県)と、頂点に立てば初優勝となるチームばかりとなった。

 また、各校の力が拮抗している今大会はPK戦が非常に多い。3回戦終了時点で、なんと13試合がPK戦にもつれ込んでいるのだ。1回戦、2回戦は、ともに16試合中6試合がPK戦で、およそ3試合にひとつがPK決着だった。過去の3回戦までのPK戦の数を振り返ってみると、第88回大会が6試合、第89回大会が4試合、第90回大会は11試合。チーム力の均等化は近年急速に進んでいるようで、今後もPK戦でドラマが生まれそうだ。

 さて、準々決勝。注目は、攻撃力のある桐光学園と京都橘の2チームだ。

 タレント豊富な桐光学園は、2試合で7ゴールを量産。キレのある攻撃は今大会ナンバー1と言える。その中心は、FW野路貴之(3年)だ。関東プリンスリーグ1部で得点王に輝くなど、レベルの高い中で結果を残してきたストライカーで、屈指の好カードと言われた2回戦の四日市中央工戦でも2得点1アシストを記録した。

「僕はスピードがあるわけじゃないので、DFとの駆け引きをいつも考えている」という野路の最大の武器は、実戦の中で培ってきた”ストライカーの嗅覚”だ。プリンスリーグでJクラブの強豪チームと対戦する中で、「自分がDFより有利に立てるやり方を学んだ」という。そして今大会でも、プルアウェイの動きや、裏へ抜け出すタイミングなどを常に意識。相手の一瞬の隙をついて、再三チャンスを作っていた。