2012.11.11

【日本代表】カウンターとショートカウンター。
まったく異なるゴールまでのアプローチ

フランス戦でカウンターの起点になった今野とゴールを決めた香川 photo by Getty Imagesフォーメーション進化論 vol.29

 カウンターには大きく分けてふたつある。相手を自陣深くに引きこんでから、ボールを奪ったら長い距離を走って攻撃に転じるカウンターと、守備ラインを高めに設定して相手陣地の近くでボールを奪って攻撃するショートカウンター。

 カウンターについては、相手を自陣深くに引き込んだときに自陣のスペースを消してうまく守り、相手が痺(しび)れを切らして不用意な縦パスをいれた時、それをインターセプトして一気に攻撃に出るというのが狙いだ。

 自陣へ引き込むというのは、裏を返せば、相手陣地にスペースが生じるということでもある。要するに、相手陣地にスペースが広大にあるので、ボールを奪ったあと、そこに全力で駆け込んでいくわけだが、このとき前線の選手がどう動くかが重要になる。前線のアタッカーふたり以上がクロスして上がっていくのがひとつの理想的な動きになるが、こうすることで相手の守備陣がマークにつきにくく、また、サイドに流れることで中央にスペースができ、後方の選手がそこに飛び込んでゴールに迫れる。

 あるいは、サイドで一度起点を作ることで、相手ディフェンスがどうしてもサイドに引っ張られるから、中央に入ってくる2列目の選手がプレイしやすくなる面もある。

 たとえば、先日のザックジャパンの欧州遠征のフランス戦で、試合終了間際のフランスのCKのこぼれを拾った今野は、ドリブルで上がることを選択した。前方にスペースが空いていたからだが、これは前線にいる選手がサイドに張りだしていたから、相手ディフェンスが中央にいなかったということでもある。これを見ても、前線の選手がどういう動きをするかがカウンターでは重要になってくる。

 前線の選手が有効な動きをしないと、せっかくのスペースを潰してしまうということだが、このフランス戦のゴールを決めた香川真司は非常にいいタイミングでサイドから中央に入ってきていたと思う。このときの香川のように、前線にスペースがあるときは、より大きな動きをすればチャンスになる。ただし、自陣から長い距離を走る必要があるので、トップスピードを持続するフィジカルの強さも必要だろう。