【Jリーグ】J残留を懸けて最終節へ。町田に奇跡は起こるか

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 北村大樹/アフロスポーツ●写真

厳しい表情の町田ゼルビア、アルディレス監督 厳しい表情の町田ゼルビア、アルディレス監督  11月4日に行なわれたJ2リーグ、第41節。最下位のFC町田ゼルビアは水戸ホーリーホックと1-1で引き分けた。次の最終節に向け、"Jリーグ残留"に望みをつないだものの、勝利を逃して戦況は苦しくなった。

「その質問は、今するべきではないでしょう。私たちは純粋に最後の最後まで戦うだけ。今日は生き残るために必要な勝ち点1が取れました。わずかな可能性がある限り、私たちは戦います」

 オズワルド・アルディレス監督は、残留が数字上厳しくなったことを記者から問われ、小さな声を震わせるように言った。眼光は鋭く、炯々(けいけい)としていた。一軍を与(あずか)る将として、アルゼンチン人は戦場の真っ直中に身を置く覚悟を会見場に充満させた――。

 今シーズンのJリーグは史上初、JFLからJリーグに昇格するクラブと入れ替えが行なわれる。JFLで昇格条件を満たすV・ファーレン長崎が残り2節で首位を走り、同日に2位以上が確定したため、優勝なら自動入れ替え、2位でもプレイオフの入れ替え戦が行なわれることになった。

 すなわち、J2で最下位になることは限りなく「Jリーグ脱落」を意味していた。

 数字上、4つのクラブが降格の可能性を残し、最終節を迎える。降格圏内のカターレ富山は41節に敗れ、ガイナーレ鳥取も敗れ、FC岐阜は引き分け。町田と3チームの勝ち点差は3で並び(勝利が3ポイント)、3チームは引き分け以上で残留する。富山はたとえ敗れても得失点差で町田を7点リードしており、事実上、残留は確定といっていいだろう。

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