【Jリーグ】木村和司「ナビスコカップの価値ってどうなんじゃろか」 (3ページ目)

  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 それには、メディアに一層取り上げてもらわなければならないが、まずはナビスコカップにかける各クラブのモチベーションを高めないといけない。グループステージでは、主力を休ませたり、リーグ戦で出場機会のない選手を試したりして、試合に臨むチームの格落ち感が否めないのが現状だからな。もちろん、若手を試したりするうえで、そういう機会があるのはいいことなのだけれども、大会の価値を考えた場合、そうした状況は好ましくないわな。

 そんな現状を打破するには、天皇杯同様、優勝チームにはACL(AFCチャンピオンズリーグ)の出場権を与えてもいいと思う。今はACL出場を目指しているチームが多いから、リーグ戦の枠を上位2位までにして、ナビスコカップ優勝チームにもその権利を与えれば、各クラブのやる気も少しは上がるんじゃないか。いっそFIFAクラブW杯が日本で開催されるときは、ナビスコカップ優勝チームに出場権を与えてもいいかもしれん。そうしたら、選手たちのモチベーションも高まるやろ。

 さらに極端なことを言えば、優勝チームにはリーグ戦で勝ち点6を、準優勝チームには勝ち点3をプラスするなんてことをしたら、事態は一変しそうや。今季の場合、アントラーズは13位から一気に9位に浮上し、エスパルスなんかは優勝争いまで見えてくるからな。どのクラブも目の色を変えて、早い段階からベストメンバーで挑んでくるんじゃないだろうか。

 まあ、そんなことは現実的ではないし、ワシらが勝手なことを言っても始まらない。要は、みんなで真剣にナビスコカップを盛り上げる方法をいろいろと考えていくことが大切だ、ということが言いたいんや。タイトルとしては本当に名誉なことだけれども、何かしらプラスアルファーして、大会自体の価値を上げていってほしいと思う。それは、最近Jクラブの取り組む姿勢に情熱が感じられない天皇杯にも言えることなんだけどな……。

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