2012.11.08

【Jリーグ】大きな勝ち点3を手にした広島。優勝への準備は整った

  • 原田大輔●文 text by Harada Daisuke
  • photo by Getty Images

札幌戦でゴールを決めて歓喜する佐藤寿人(左)。写真右は森﨑浩司。 首位のサンフレッチェ広島が第31節のコンサドーレ札幌戦で3-0と快勝した。4試合ぶりに勝ち点3を手にして、セレッソ大阪に引き分けた2位のベガルタ仙台を再び引き離した。

 9月29日の第27節、サガン鳥栖戦で4-1と快勝したあと、広島は10月に行なわれた3戦の成績が2分け1敗と勝利から遠ざかっていた。その間、一時は勝ち点5差をつけていた2位の仙台に勝ち点で並ばれた。それだけに札幌戦は、タイトルを狙ううえでどうしても勝ち点3が欲しい試合だった。そうしたムードを察してか、優勝を後押ししようという多くのファンが、平日にもかかわらず広島ビッグアーチに詰めかけた。

 大声援が響く中、キャプテンの佐藤寿人は、ピッチで円陣を組むチームメイトをこう鼓舞した。

「もう一度、自分たちの力を示そう」

 優勝を意識しないと言えば嘘になる。プレッシャーがないと言えば嘘になる。ゆえに、10月の3試合はまずは失点しないことを考えて、慎重に戦い過ぎた部分があったと選手たちは言う。だからこそ、札幌戦ではアグレッシブに戦おうと、キックオフから攻撃のスイッチを入れた。

 広島は最終ラインの千葉和彦、森脇良太、さらにはボランチの青山敏弘が、積極的に前線へと縦パスを配球。2列目の2シャドー、髙萩洋次郎、森﨑浩司がそれを受けると、相手DFの裏へ走る佐藤へ効果的なラストパスを供給していった。

 試合後、札幌の石崎信弘監督は、「できれば、センターフォワード(佐藤)のところにくさびを入れさせず、サイドにボールを散らそうと言っていた」と、エース・佐藤への警戒を明かしたが、佐藤に仕事をさせないためには、本来そのパスの供給源である2シャドーとボランチを抑えなければいけない。だが、そこへのマークが緩かったことで、広島は得意の形から決定機を生み出していった。