【名波浩の視点】ベガルタ仙台、タイトル奪取のカギは次節にあり!?
高い守備力でジュビロの攻撃を封じていたベガルタだったが......。 Jリーグ第30節、2位のベガルタ仙台はジュビロ磐田と対戦。後半32分に赤嶺真吾のゴールで先制したが、その7分後にジュビロに同点ゴールを奪われて1-1で引き分けた。首位のサンフレッチェ広島もガンバ大阪と引き分けたため、勝ち点(55)は並んだまま得失点差(3点差)で2位に止まった。
前節、3位の浦和レッズとの上位対決で3-2と相手を振り切って、気持ちのいい勝ち方をしたベガルタ。残り5節となり、ここからは本来ならば"経験値"というものがモノをいってくる。残り10分の戦い方であるとか、選手交代のタイミングであるとか、いろいろなことの難しさが増してくる。そうした中で、その経験値があまりないベガルタは、ジュビロ戦の前半、人が連動したり、誰かがスペースへ飛び出したりという、らしい形があまり見られなかった。
最初それは、優勝争いをしている緊張もあるのかと思ったが、ジュビロのかなりハードワークするサッカーに合わせて、ベガルタもハードワークしながら普段どおりにコンパクトなサッカーを実践した結果で、自然と中盤での激しい攻防になって、シュートチャンスはなかなか訪れなかった。それでも、互いに潰し合う地味な展開ながら、とても見応えがあって、セカンドボールをいい形で奪ったほうが、ビッグチャンスが生まれそうな雰囲気があった。
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著者プロフィール
名波 浩 (ななみ・ひろし)
1972年11月28日生まれ。静岡県藤枝市出身。1995年、ジュビロ磐田に入団し一時代を築く。日本代表では10番を背負い初のW杯出場に貢献した。引退後は、ジュビロ磐田のアドバイザーを務めるとともに、テレビ朝日『やべっちF.C.』などサッカー解説者として活躍