【名波浩の視点】王者レイソルが開幕ダッシュに失敗したワケ

  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

昨季のMVPに輝いた柏のレアンドロ・ドミンゲス。今季も素晴らしいプレイを見せているが......。昨季のMVPに輝いた柏のレアンドロ・ドミンゲス。今季も素晴らしいプレイを見せているが......。 王者・柏レイソルが、昨季のリーグ戦でも2連敗(0-3、1-6)を喫したジュビロ磐田に0-1で敗れた。これで、リーグ戦は4試合を終えて1勝1分け2敗、12位と出遅れた。

 だからといって、昨季から何かが劣っているということはない。この試合でも、先制されてからはチーム全体の距離がギュッと縮まって、完全にゲームをコントロール。選手の動き出しが早く、セカンドボールを拾いまくって、ジュビロを圧倒した。攻撃の連続性もあって、昨年と変わらぬ破壊力を感じた。

 際立っていたのは、やはりレアンドロ・ドミンゲス。相変わらず"スーパー"な働きぶりで、何度となく決定機を演出した。1点を追いかける苦しい状況に陥っても、独りよがりなプレイを見せないのが、何より好感が持てる。「オレに寄こせ」とすべてのボールを自分に集めて、そこから自分だけで仕掛けていってしまうようなことがなく、周りの選手をうまく使いながら、チームの攻撃を組み立てている。

 それがよくわかるのが、スローインのとき。自らスッと動いて相手を引き寄せながら、味方がボールを受けやすいようなスペースを作っている。突出した存在でありながら、そうした献身的な動きができるのも「素晴らしい」のひと言だ。

 守備に関しても、非常に安定していると思う。ふたりのボランチを中心に、相手の出鼻をしっかりくじいて、最終ラインも堅実なディフェンスでゴールを死守している。

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