2012.04.04

【Jリーグ】木村和司が申す
「プロ化20年。今の選手は『魅せる』意識が欠けている!」

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プレミアリーグで活躍する宮市亮。「日本代表でも積極的に起用すべき選手」と木村氏も絶賛する。木村和司の我がまま申す vol.1

昨季まで横浜F・マリノスの指揮官だった木村和司氏の連載がスタート。現役時代は日本代表で「10番」を背負い、豊富なアイデアと卓越したテクニックで多くのファンを魅了した司令塔が、日本サッカー界のさらなる発展のために、大いにモノ申す――。

 ほうじゃが、Jリーグは今季でもう20年目や。時間が経つのは早いもんじゃのぉ。

 初年度はワシもまだ現役(横浜マリノス)でやっていたけど、開幕戦の盛り上がりはほんまにすごかった。相手のヴェルディ川崎は日本サッカーリーグ(JSL)時代からのライバルで、ともに切磋琢磨してきたチーム。日本代表で一緒にプレイしとった選手も多かったから、彼らと並んで入場する時はやっぱり感慨深いものがあったよ。

 プロ化していちばん変わったのは、周囲の反応だろうな。テレビや新聞、雑誌といろいろなメディアで騒がれて、ファンが急増した。JSLの頃はガラガラだったスタジアムが常に満員だからな。家族のチケットさえ手配するのが大変でな、知らない親戚や友人が一気に増えたもんよ(笑)。

 でも、選手のほうはプロになったからといって、急にうまくなるわけじゃないから、下手なりにがんばるしかなかった。一方で、サッカーに対する姿勢、意識はかなり変わったかもしれんな。それまでは「サッカーを知ってもらいたい」という思いでプレイしていたけど、多くのお客さんに見られるようになって、「いいサッカーを見せたい」「喜んでもらいたい」という考えが強くなった。それは、ラモス(瑠偉)とかカズ(三浦知良)とか、みんなそう。見ている人を喜ばせよう、という心意気があった。

 それに比べて、今の選手はそういう気持ちが足りない。上手くはなっているけど、「魅せる」意識が欠けている。みんな平均化していて、何か”コレ”というものを持っている選手が少なくなったな。試合に出ることで満足して、勝てばいいと思っている。自分のことばかり考えて、スタンドに足を運んでくれるファンに対する思いが薄れている感じがするな。

 それは、チームも一緒。結果だけにこだわっている。だから、リーグの魅力が低下する一方なんや。