【Jリーグ】序盤戦、「チーム刷新」の明暗が分かれた理由
清武弘嗣らのゴールで、アウェーの大宮戦に勝利し、好調をキープしているセレッソ大阪
開幕前は優勝候補とまで目されていた鹿島とG大阪の大不振は、今年のJ1の大きな話題となっている。
4月7、8日に行われた第5節終了時点でともに1分け4敗と、いまだ勝ち星なし。順位表では、得失点差によって最下位(18位)が鹿島、17位がG大阪となってはいるが、長く暗いトンネルから抜け出せずにいることに変わりはない。
チームを長期的に強化しようとするとき、何かを継続的にやり続けることが重要なのは間違いない。だが、その一方で、継続は常に停滞やマンネリと背中合わせ。ときには変えることも必要となるわけだが、これは言うほど簡単なことではない。下手をすると、プラスアルファをもたらすどころか、今まで作り上げてきたベースさえ崩しかねない危険性もあるからだ。
実際、2強の苦戦は、「変えること」の難しさを物語っている。
鹿島とG大阪は、前監督の"長期政権"を経て、今年から監督が変わった。長期的な強化において、新たなステップへと踏み出そうとしたわけだが、思うような結果を得られていない。
一方、4勝1分けで首位に立つ仙台は、手倉森誠監督が就任5年目を迎えた「継続」のクラブ。この対照的な存在もまた、「刷新」を選択した鹿島、G大阪に失策の印象を強くしてしまう。
今年の仙台は、昨年までの堅守を土台とし、攻撃力が積み上げられている。5試合で11得点はJ1最多。「継続」もまた、プラスアルファをもたらせることの好例だろう。
ただし、この3者の現状をもとに、「刷新」よりも「継続」を選択したほうが、リスクの少ない強化である、などという結論を導こうとは思わない。実際、監督を交代し、チーム体制を「刷新」することによって強化が進んでいるクラブもあるからだ。
例えば、第5節で大宮を3-0と粉砕したC大阪。この日、2ゴールの活躍を見せたキム・ボギョンは、「去年よりチームはよくなっている」と語り、こう続ける。
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