【Jリーグ】移籍の収支決算。補強に成功したチーム、ベスト3は? (2ページ目)
2位:ヴィッセル神戸
決定的な仕事ができる、野沢拓也(鹿島アントラーズ)の加入が何より好材料。毎年7、8点はゴールを決めて、10アシストくらい記録する選手なわけで、その分の上積みが望める。特にヴィッセルは、中盤でゲームを作る選手がおらず、昨季は大久保嘉人が図らずもこなしていた印象がある。その担い手としても、まさに野沢はぴったり。彼のおかげで、選手各々の役割分担が明確になり、チーム構成におけるプラス作用も計り知れない。
加えて、出場機会に恵まれればシーズンふた桁得点が期待できる田代有三(鹿島)をはじめ、高さのあるDF高木和道(ガンバ大阪)に、ボランチの軸として考えられる橋本英郎(ガンバ大阪)と、計算できる選手が各ポジションに加わった。非常に理に適った補強ができ、相当なベースアップが見込める。
そして先日、その動向が注目されていた、クロアチアのハイデュク・スプリトに在籍していた伊野波雅彦の電撃入団が決定。課題の守備面を補うにはもってこいの人材の獲得に成功し、昨季の9位から5、6位に浮上できるだけの戦力が整った。
3位:FC東京
「上がり目」という意味では、FC東京もそのひとつ。J1でも十分に上位を狙える力がある。
今野泰幸がガンバ大阪に移籍したのはもちろん痛いが、それを補って余りある補強ができた。具体的には、加賀健一(ジュビロ磐田)やチャン・ヒョンス(延世大/韓国)が今野の穴を埋める。そのうえで、ストライカーの渡邉千真(横浜F・マリノス)と左サイドバックの太田宏介(清水エスパルス)を獲得し、選手層の厚みが増した。
渡邉は馬力があって、一本のタテパスで決定機を作れる選手。押し込まれていても、梶山陽平や谷澤達也らが敵の裏に効果的なパスを出せば、渡邉ひとりで状況を一変させてくれるはず。キープ力のあるルーカスとは違うタイプのFWで、異なるふたりのコンビネーションから新たな展開が生まれるかもしれない。
同様に、太田もFC東京にはいなかった存在。スピードがあって、相手との駆け引きもうまく、これまでのチームにはなかったアクセントを作り出してくれるだろう。
2 / 3