【ワールドカップ】サッカー日本代表の今後はどうあるべきか チームづくりに必要な発想の転換 (3ページ目)
【日本代表に対して発想の転換を】
浅田 ブラジル戦後、「個の力を上げなければいけない」と話す選手がいましたが、個の力を上げるなら、アジアカップよりヨーロッパで活躍したほうがいい。
杉山 メディアが「日本代表を落選」などと言うのも時代にそぐわないですね。紅白歌合戦じゃないんだから。
浅田 その話は五輪代表にも通じます。パリ五輪に鈴木唯人や鈴木彩艶がクラブの要請で出場できなかったというのは、残念な話ということになっているけれど、ヨーロッパのクラブで頑張っていればそれでいいという話です。
「4年をかけて代表チームをつくっていく」という発想自体、時代にそぐわなくなっているのかもしれません。考え方を変えていかなければいけないのかもしれない。もちろんチームコンセプトみたいなものはしっかり持つ必要はあるけど、選手はどんどん入れ変わっていっていい。感覚的に、同じメンバーでたくさん試合をやったほうがコンビネーションは熟成されるという話になりがちだけど、それも違ってきているのかもしれません。
杉山 「コンビネーションの熟成」は死語でしょう。うまい選手同士でやれば新しいコンビネーションが生まれる。おなじみのメンバーを歓迎して、新しい人が加わることをネガティブに報じることは、やめたほうがいい。
浅田 同じ監督と選手でやっていたから限界を感じてしまい、「やはり守って勝つことを考えないといけない」となった結果が、今回のワールドカップだったとも言えるかもしれません。4年間のチームづくりを考えてしまったから難しくなった、という部分もあるのではないでしょうか。監督をコロコロと変えるほうがいいとは思わないけど、もう少し柔軟にチームをつくっていかないと、結局はどこかでマンネリも息切れも出てくる。この4年間を振り返ると、もちろん条件が違うから一概に比較することはできないけれど、2023年の欧州遠征でドイツとトルコに連勝したあたりが、日本は一番強かったのではないかという気がします。
杉山 根本的に考え直したほうがいいことはいくつもあると思います。そのためにもサッカー協会の会長を筆頭に日本サッカー界の幹部には、今回のワールドカップについて時間をかけて深く反省していただきたい。9月に親善試合があるからといって、「そのために新監督を選ぶ必要がある」なんてことはまったくないですから。
著者プロフィール
杉山茂樹 (すぎやましげき)
スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。
浅田真樹 (あさだ・まさき)
フリーライター。1967年生まれ、新潟県出身。サッカーのW杯取材は1994年アメリカ大会以来、2022年カタール大会で8回目。夏季五輪取材は1996年アトランタ大会以来、2020年東京大会で7回目。その他、育成年代の大会でも、U-20W杯は9大会、U-17W杯は8大会を取材している。現在、webスポルティーバをはじめとするウェブサイトの他、スポーツ総合誌、サッカー専門誌などに寄稿している。
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