【ワールドカップ】サッカー日本代表の今後はどうあるべきか チームづくりに必要な発想の転換 (2ページ目)
【ワールドカップ予選をどう戦うべきか】
杉山 「言わない」「言えない」ということに関してつけ加えると、似たようなことは、たとえばワールドカップ予選でも起きています。アジアの出場枠が増えたなかで日本が勝ちまくり、それも「日本強し」のイメージが強くなった理由のひとつですが、そもそもあれだけのメンバーで戦う必要があったのかという疑問があります。「このあたりのメンバーで戦っても、最悪アジア3位ぐらいで出場権を獲得できるだろう」という考え方ができれば、本大会から逆算していろいろな選手起用にトライすることで、もっと選手層を厚くすることはできたはずです。でも予選の期間中、そういう議論はほとんどまったく聞こえてきませんでした。
浅田 ヨーロッパの選手は試合数が増えて負担が大きくなっているのに、毎度、ベストメンバーを招集して長距離移動をさせている。ワールドカップを前に最終的にあれだけのケガ人が出たのは、全部が日本代表の責任だと言うつもりはありませんが、まったく責任がないとは絶対に言えない。もう少し選手を守るということを招集においても考えるべきでした。そのツケが最後になって回ってきたと、少なくとも日本サッカー協会は考えないといけないでしょう。特に筋肉系に不安を抱えている選手は慎重に扱わないといけない。不安のある三笘薫や冨安健洋を2024年のアジアカップに招集したことがケガにつながったことを、忘れてはいけません。
そもそもワールドカップ予選を、きれいな戦いをして全勝で突破する必要はまったくない。予選を戦うことが強化につながると言う人もいますが、相手との力関係を考えると難しいでしょう。もちろん試合内容が悪ければ我々は「出来が悪い」と言いますが、そこはうまく立ち回らないといけない。
杉山 日本代表がホームで試合をする際の選手の移動距離は世界でも有数の長さだということを、選ぶ側がどれだけわかっているのか。選ばれる側の選手たちからは「行きたくない」とは言い出せないでしょう。だから本来は、森保一監督が招集したいと思っても、人権的な意味でも山本昌邦技術委員長兼ナショナルチームダイレクターや宮本恒靖会長が止めなければいけないのですが、結局、オールスターキャストが代表戦に参加することは、日本のサッカー産業にとってはこのうえなくうれしいことなんです。だから、サッカー産業に組み込まれている人は「三笘を呼ぶ必要はない」とは言えないわけです。こういう日本代表をとりまく構造自体、そろそろ見直すべき時期にきていると思うし、来年のアジアカップなども、もうベストメンバーを揃えて臨む時代ではないと思います。
2 / 3


