【ワールドカップ】サッカー日本代表のブラジル戦で、スペインの戦術家が漏らした「采配への疑問」 (2ページ目)
【システムの肝は中盤の防護力】
「3バックでは、特に冨安健洋のディフェンスが秀逸だった。ヴィニシウス・ジュニオールとマッチアップする機会が多かったが、不必要なファウルをしないで、ギリギリのところで止めていた。ウイングバックとの連係は戦術的に難しいのだが、彼はいとも簡単にやり遂げ、そのクオリティが伝わってきた。彼こそが"砦"の象徴だろう。
試合ではGK鈴木彩艶のビッグセーブが目立ったかもしれない。確かに驚くべき反応を見せていたが、それはディフェンダーとの関係性なしにはあり得なかった。実際、チーム全体としてそこまで危険なシュートを打たせていない。特に前半を失点ゼロで抑えられたのは5-4-1の組織力の賜物で、ほとんど完璧にタクティクスが機能していた」
エチャリ自身、5バックでの守備重視をメディアに揶揄されたことがあるからだろうが、組織力の価値を強調した。うまく運用することができたら、最大値が出せることをプロとして知り抜いているのだろう。つまりは相手との力関係も考えたうえで、最善の決断を下す必要があるのだ。
「システムのなかで、最も異彩を放っていたのは佐野だろう。インターセプトからドリブルで攻め上がり、カゼミーロを置き去りにしながら流し込んだミドルシュートは見事だった。守りから攻めに転じられたわけだが、彼はそれ以上に守備で中盤を補強し、ブラジルの攻撃を削っていた。非常にタフな選手で、コンプリートなMFと言える。鎌田と組んだ佐野が、この試合のベストプレーヤーだ」
エチャリはそう言って賞賛を送る一方、ひとつの疑問を呈した。
「後半途中、なぜ森保監督は中盤にタフなMFを入れなかったのか? 伊東純也、鎌田を下げ、田中碧、町野修斗を入れたが、目に見えてチーム全体の攻守がパワーダウンした。結果的に、ブラジルの勢いが増してしまった。
田中はとてもいい選手だが、難しい時間帯で入ってプレーが安定しなかった。町野はFWなのだろうが、うまく役割が見つかっていない。もし遠藤航や守田英正がいたら、状況は変わっていただろう。ほかに中盤で守りを強固にできる人材はいなかったのか? ひとりで難しい場合、中盤をもう1枚増やすのもひとつの手だった。このシステムは、中盤の防御力を落とさないことが肝心だからだ」
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