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【ワールドカップ】ブラジル戦で露呈したサッカー日本代表の限界点「感動をありがとう」は勝負の本質を曖昧にする (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Yoshiyuki Komiya

 これだけ攻撃センスのある選手を抱えながら、"弱者の兵法"にならざるを得なかった。親善試合を含めて格上相手に勝つことはあったが、ことごとく受け身に回っていた。ボールを持つことができないなかで、受け身からの素早いカウンターは武器になったが、能動的な戦い、再現性のある試合はできなかったのである。

 百歩譲って、もし森保監督が「勝利に徹したチーム」を作り上げたのなら、引き分けても2位突破の可能性が高かったスウェーデン戦で、主力の鎌田大地、中村、上田を休ませるべきだった。また、守田英正を招集していたら、スウェーデン戦で鎌田の代わりに起用できただろう。これは"たら・れば"の話ではない。過去のワールドカップでも、日本が決勝トーナメントの1回戦で敗れているのは、それまでに主力を酷使してきた影響もあって、指揮官はそれに対する策を準備するべきだった。

「ワールドカップ優勝」

 そう口にしていた選手たちは全力を尽くした。しかしそれに乗っかった監督や煽った関係者、メディアは恥ずべきだろう。「感動をありがとう」は勝負の本質を曖昧にするだけだ。

著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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