【ワールドカップ】サッカー日本代表のブラジル戦は「恩返し」のチャンス 福田正博が挙げるキーマンはふたり (2ページ目)
【カウンターのブラジル】
今大会のセレソンは、イタリア人のカルロ・アンチェロッティが率いている。ミランやレアル・マドリードなどを指揮し、リーグ優勝やチャンピオンズリーグ優勝を何度も獲得した名将のもと、「華麗なフットボール」ではなく「リアリスト」の戦いをしている。
今のブラジルの怖さは、ボールを保持する技術や能力がありながら、相手に攻撃させて自陣に引きこみ、そこからボールを奪ってカウンターを狙う戦術をとることだ。攻撃陣はスピードがあり、相手陣にできた広大なスペースを有効に使うテクニックもある。
その攻撃の中心となっているのが、レアル・マドリードのFWヴィニシウス・ジュニオールだ。グループステージは3試合連続で合計4得点をマーク。日本は彼を止められるかが最大のポイントになる。
その重要な役割を担うのは、冨安健洋になるだろう。オランダ戦は途中出場、チュニジア戦はスタメンで後半33分までプレー。この2年間、ケガでほぼプレーできなかった状態にあったとは思えないパフォーマンスを見せてくれた。スウェーデン戦は出場せずに、ブラジル戦に向けたコンディションにも不安はない。冨安が本領発揮となることを期待している。
周囲の連係も大事になる。右ウイングバックの選手やボランチの佐野海舟と連動しながら、ヴィニシウスに仕事をさせないようにする。佐野は1戦目、2戦目とフル出場したが、スウェーデン戦は出場せず、こちらもブラジル戦を見据えて休養をとった。いつも以上にタフな佐野が見られるはずだ。
ただし、ヴィニシウスを警戒していても、ほかのところからピンチになる可能性はある。そこで重要になるもうひとりのキーマンがGK鈴木彩艶だ。彼の活躍なくして活路は開けない。
オランダ戦は試合開始直後にドニエル・マレンにシュートを打たれたが、しっかり処理してチームに落ち着きをもたらした。その後もチュニジア戦、スウェーデン戦で何度となくスーパーセーブを見せてきたが、ブラジル戦でもしっかりと集中して最初のシュートを防ぎ、流れに乗って最後までゴールマウスを守り抜いてもらいたい。
ブラジルは4バックを敷く。センターバック(CB)はアーセナルのガブリエウ・マガリャンイスと、パリ・サンジェルマンのマルキーニョス。今季のチャンピオンズリーグ決勝を戦った両クラブのCB、すなわち世界最高のCBと見ていい。両サイドバックはさほど攻め上がらず、守備に重心を置いている。
この4バックを日本がいかに崩すのか。相手の油断が生むスキを突けるといいのだが、昨年10月の親善試合で日本に逆転負けを喫したブラジルにそれを望むのは難しいだろう。
また、日本はブラジルやアルゼンチン、フランスのように、前線の選手の圧倒的な個の力で攻撃を組み立てるわけではない。そうしたなかで活路を見出すには、流動性とコンビネーションが重要になる。チュニジア戦やスウェーデン戦などで見せた、複数選手が絡んだパスワークで相手DFの裏を突いて決定機をつくり出してもらいたい。
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