検索

サッカー日本代表はこの26人でトーナメントを戦えるのか コンディションが不確かなうえに多機能性が欠如 (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Shigeki Sugiyama

【ウイングができないCF】

 初めて3人交代制で行なわれた1998年フランス大会。優勝したのはフランスだったが、欧州の各メディアから最も先進的なサッカーをしたと称賛されたチームはフース・ヒディンク率いるオランダだった。戦術的交代を学ぶうえで、教科書とすべきサッカーである。

 そこで最も多機能性を発揮し、脚光を浴びた選手がフィリップ・コクーだった。最終ラインから最前線まで4-2-3-1上の4つのポジションを次々に移動する姿は、当時のサッカーにおいては斬新かつ衝撃的だった。

 フランス大会といえば、日本がワールドカップに初出場した大会だ。それから28年。戦術的交代は当たり前の戦術として浸透した。選手の多機能性も可能な限り追求されている。

 昨季、ワールドカップの組み替え戦と言われるチャンピオンズリーグ(CL)を制し、今季も決勝進出を果たしているパリ・サンジェルマンに至っては、前線は右も左も真ん中も、どこでもこなすアタッカーで占められている。代表的な選手は昨季のバロンドール受賞者、ウスマン・デンベレ(フランス)だが、いまの日本代表のサッカーにその手の魅力は存在しない。

 ウイング兼ストライカーは、発表された26人のなかにはいない。ウイングはウイングしかできない。センターフォワード(CF)候補は真ん中しかできない。例外はせいぜい前田に限られる。この非多機能性に、日本サッカーの問題を見る気がする。選手に問題があるのか、育成に問題があるのか。

 CF候補の上田、小川、後藤、塩貝。後者のふたりはボーダーラインの選手だったに違いない。三笘薫が外れていなければ、どちらかは選ばれなかった可能性が高い。とはいえ20歳と21歳の若手だ。化ける可能性は秘めている。そこに賭けたくなる気持ちはわかる。しかし、この時代における今日的なプレーヤーには見えない。

 身長191cmの後藤は高さが売りだ。足元もその割にうまい。そこは認めるが、相手を縦に抜き去るドリブル、フェイントはない。よって、サイドに出た時に芸がなくなる。一方、180cmの塩貝はスピードと力強さを武器にするが、サイドで相手のサイドバックをかわす技巧がない。ポジションの適性がサイドにないことが明らかである。

2 / 4

キーワード

このページのトップに戻る