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【FIFAワールドカップ】日本が注目のチュニジアはラウンド16で敗退 アフリカ選手権で思い出す富樫洋一氏の活躍 (3ページ目)

  • 後藤健生●文 text by Goto Takeo

【チュニジアの戦いぶり】

 今回のアフリカ選手権では、W杯で日本と同じグループFに入ったチュニジアの戦いが注目された。というより、もし、チュニジアを観ようと思わなかったら、僕もアフリカ選手権をグループリーグの段階から観戦していなかったかもしれない。そうだったら、富樫氏のことも思い出さなかったかもしれない。

 もし、富樫氏がご存命だったら、まだ74歳になったばかりだ。日本とアフリカの代表が同じグループに入ったのを喜んで、きっとモロッコまで取材に出かけていたに違いない。

 さて、その注目のチュニジアは初戦でウガンダに勝利したものの、その後、ナイジェリアに敗れ、タンザニアとは引き分けでグループCを2位通過。ラウンド16ではマリと対戦した。そして、前半のうちに退場者を出したマリを相手に攻めあぐね、ようやく88分にフィラス・シャウアトが決めてリードを奪ったものの、アディショナルタイムにPKを献上して追いつかれてPK戦で敗退。4試合を戦って、ウガンダ戦の1勝に終わった。

 内容的にも、ナイジェリア戦ではスリーバックのサイドを完全に崩されていたし、マリ戦ではひとり少ないマリに何度もカウンターを許していた。W杯組分け抽選会直後には「アフリカ予選で無失点」などという情報があったものの、日本代表とは明らかな実力差があることは間違いない。

 グループFでは欧州勢の2チームもチュニジアからの勝点3獲得を計算しているはず。日本代表にとっても、グループリーグ突破のためにはチュニジア戦こそが最も重要な試合となるのではないか。

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著者プロフィール

  • 後藤健生

    後藤健生 (ごとう・たけお)

    1952年、東京都生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。1964年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、1974年西ドイツW杯以来ワールドカップはすべて現地観戦。カタール大会では29試合を観戦した。2025年、生涯観戦試合数は7700試合を超えた。主な著書に『日本サッカー史――日本代表の90年』(2007年、双葉社)、『国立競技場の100年――明治神宮外苑から見る日本の近代スポーツ』(2013年、ミネルヴァ書房)、『森保ジャパン 世界で勝つための条件―日本代表監督論』(2019年、NHK出版新書)など。

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