サッカー日本代表に長身FWが定着しなかった過去 平山相太やハーフナーを経て191cm・後藤啓介に期待 (2ページ目)
【長身FWが定着できなかった過去】
84分には佐野海舟(マインツ)からのパスを受け、ワンタッチでさばいて佐藤へ落とした。意図の見えるポストプレーだったが、タイミングが合わずにシュートにはつながらなかった。
「リュウ(佐藤龍之介)が勢いよく入っているのは見えていたので、コースを狙えば入ると思いましたし、自分自身が(ゴールに対して)半身じゃなくて、けっこううしろ向きで受けちゃったので、前向きの選手をシンプルに使ってと。(ゴールに対して)正面だったので、リュウもコースを打ち分けやすいかなと思ったので、シンプルに落としたって感じです」
後藤のような190cm超えの大型ストライカーをチーム戦術に組み込むことは、日本代表が長く取り組んできたテーマのひとつである。
2010年の南アフリカワールドカップに挑んだ岡田武史監督は、同年1月に190cmの平山相太を初めて招集した。平山は格下イエメンとのアウェーゲームで初出場ハットトリックを達成し、2月の活動にも招集された。だが、結果を残すことはできずにワールドカップのメンバー入りを逃した。
2014年のブラジルワールドカップへの道のりでは、ハーフナー・マイクがアルベルト・ザッケローニにリストアップされている。オランダ1部のフィテッセで2012-13シーズンと2013-14シーズンにふたケタ得点をマークした194cmの彼は、攻撃に変化を加えられる可能性を秘めていた。しかし、地上戦での崩しに自信を持っていたチームで、「高さ」が求められることはなかった。
森保監督が指揮する現在のチームで言えば、191cmの原大智(京都サンガ)が7月のE-1選手権で追加招集された。前線の複数ポジションでの起用も見込めるユーティリティ性は、攻撃の選択肢を拡げてくれる可能性を秘める。しかし、9月の活動以降は招集されていない。
これまで190cm超えの選手が選ばれず、森保監督のもとでも代表に定着できていないのは、序列を変えるほどの活躍を見せられなかった、というのが最大の理由である。長身選手だから選ばれなかったわけではなく、定着できていないわけでもない。
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