検索

サッカー日本代表の中国戦、データで見る選手の活躍度 アピールに成功した5人とは? (2ページ目)

  • 中山 淳●文 text by Nakayama Atsushi

【攻守で評価を高めた選手がいる】

 その細谷の先制点をアシストした田中も、出場時間が前半に限られたなかでアピールできた選手と言っていい。

 川﨑颯太に代わる追加招集となった田中は、この試合が記念すべき代表デビュー戦だったにもかかわらず、試合開始からダブルボランチの一角で攻撃のスイッチ役として機能。11分の細谷のゴールを見事な縦パスでアシストして見せた。

 前半44分には原大智からボールを預かり、DFの背後を狙う佐藤龍之介にパスを供給して決定機を創出。残念ながら、佐藤のシュートは相手GKの好セーブでゴールとはならなかったが、攻撃の部分で自らの持ち味をいかんなく発揮した。

 結局、自陣からミドルゾーンへの縦パスを含めると、前半だけで8本の縦パスを供給。この試合でボランチコンビを組んだ宇野禅斗が3本(前半)だったことを考えると、評価に値するパフォーマンスを披露したと言っていいだろう。

 加えて、前半35分には高い位置でボールを奪取して佐藤のシュートシーンをお膳立てしたように、守備面でもチームに貢献。最終的にハーフタイムに稲垣祥と交代することとなったが、プレータイムを考えると、次の韓国戦で出場機会を得る可能性は十分にある。その意味でも、上々のデビュー戦になった。

 一方、守備陣で評価を高めたのが、GK早川友基だ。今回が代表デビュー戦となったなか、17分に相手の1トップ(9番)との1対1のシーンを迎えると、絶体絶命のピンチをビッグセーブでストップ。決まっていれば試合の流れが変わっていた可能性が高かったことを考えると、細谷の先制ゴールに匹敵するビッグプレーだったと言える。

 見逃せなかったのは、持ち前の足技をこの試合でも披露したこと。とりわけ後半3分に細谷に届けたグラウンダーのロングパスはその能力の高さを証明するに十分で、10分にも自陣ボックス外から稲垣に縦パスを供給。シュートストップはもちろん、現代表のGKに求められるビルドアップ能力も兼ね備えていることを示して、森保一監督の信頼を勝ち取った可能性は高いと思われる。

 韓国戦ではまだ今大会で出場機会のない大迫敬介がスタメンを飾ると予想されるが、その試合で大迫がどのようなプレーを見せるのか。要注目だ。

2 / 3

キーワード

このページのトップに戻る