【サッカー日本代表】冨安健洋が戦力として計算できないセンターバックが心配でならない (2ページ目)
前回のワールドカップ時点で、すでにイングランドの名門、アーセナルに所属していた冨安は、充実の日本代表CB陣のなかでも頭ひとつ抜けた存在だった。しかも当時、まだ24歳。これから先、どんなキャリアを歩んでいくのか、大いに期待は高まった。
しかし、そんな特別な才能も度重なるケガに悩まされ、まともにプレーできない状態が長らく続いている。
最近も2度目の右ヒザ手術が報じられたばかりで、復帰までにかなりの時間を要するのはもちろんのこと、選手生命の危機さえ心配されるほどだ。
加えて、吉田は年齢的な理由からか、すでに代表から遠ざかって久しく、谷口は負傷により、長期戦線離脱中。伊藤はようやく負傷が癒え、戦線復帰したものの、まだ様子を探りながらの試合出場が続く状態にある。
とはいえ、前回のワールドカップ時点で34歳だった吉田と、同じく31歳の谷口については、当然後任探しを考えておかなければならなかった。要するに、想定内の事態だったはずである。
しかしながら、充実の陣容もすっかり屋台骨が揺らいでしまった一方で、次世代の登用は進んでいない。パリ五輪世代を見ても、高井幸大がようやくA代表に選ばれるようになった程度で、前回ワールドカップ後に台頭してきたCBは、町田浩樹くらいのものである。
その町田にしても、現在所属するのはベルギーのサンジロワーズ。最近は日本人選手のヨーロッパ進出が急速に進んでいるにもかかわらず、イングランド・プレミアリーグやドイツ・ブンデスリーガでプレーするようなCBは出てきていないのだから、冨安どころか、ベテランの穴を埋めるのも容易なことではない。
前回のワールドカップ当時、「アーセナルの冨安」は、間違いなく日本代表の看板選手だった。決して万全な状態ではなかったが、それでもピッチに立ったときの存在感は抜群だった。粒ぞろいに見えた充実のCB陣も、実は大看板がいてこその印象だったのだと、今さらながら思い知らされる。
冨安不在が一時的なものではなくなりそうな今、CBは再び日本代表の悩みの種になり始めている。
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