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サッカー日本代表・森保一監督に聞く、ワールドカップで優勝するには? 「国としてのエネルギーがないと絶対に勝てない」 (4ページ目)

  • 戸塚 啓●取材・文 text by Totsuka Kei

【勝って喜んでもらうだけが目的ではない】

── それはもう、恐ろしいほどのポジティブ思考ですね。

「いや、でもホントに、サッカーを見てもらっている時は喜怒哀楽のすべてに包まれますし、ストレス解消に役立ったらいいなと本気で思っていて。真剣に応援していれば、悔しさも、悲しさもあるでしょうし、点を取られたら怒りが沸き上がるでしょうし。試合を見ている1時間半から2時間で、日頃のストレスから、日常から解放されてくれたらと思います」

── 個人的には、日本代表の試合は喜怒哀楽よりも「願い」とか「祈り」に近いですね。頼むから勝ってくれ、という。

「そうやって思ってくれる人たちのためにも、勝ちたいですね。日本代表を応援して下さっている日本人のみなさんに、勝って喜んでもらいたいのと同時に、日本人の誇りを感じていただきたいというところが、我々が戦ううえでの根幹にあって」

── 「誇り」がキーワードになるのは、自国の監督だからでしょう。

「たしかに。そう言われたら、そうかもしれないですね。勝つ、勝って喜んでもらう、ということだけが目標・目的ではないというのは」

   ※   ※   ※   ※   ※

 森保監督はどんな質問にも、真正面から真面目に答える。説明を尽くして答えるからなのか、真意が伝わりにくいとか、面白みに欠けるなどと言われることもある。

 素顔の森保監督は真面目でありながら、実はウィットに富んでいる。インタビュー中編では、そんな彼を知ることができるはずだ。

(つづく)

◆森保一・中編>>「新戦力のテストはいつやるの?」


【profile】
森保一(もりやす・はじめ)
1968年8月23日生まれ、長崎県長崎市出身。1987年に長崎日大高からマツダに入団。1992年にハンス・オフト率いる日本代表に初招集され、翌年「ドーハの悲劇」を経験。サンフレッチェ広島→京都パープルサンガ→広島→ベガルタ仙台を経て2004年1月に現役引退。引退後はコーチとして広島とアルビレックス新潟で経験を積み、2012年に広島の監督に就任。3度のJ1制覇を成し遂げる。2017年から東京五輪を目指すU-23代表監督となり、2018年からA代表監督にも就任。2022年カタールW杯の成績を評価されて続投が決定し、現在2期目。日本代表・通算35試合1得点。ポジション=MF。身長174cm。

著者プロフィール

  • 戸塚 啓

    戸塚 啓 (とつか・けい)

    スポーツライター。 1968年生まれ、神奈川県出身。法政大学法学部卒。サッカー専誌記者を経てフリーに。サッカーワールドカップは1998年より7大会連続取材。サッカーJ2大宮アルディージャオフィシャルライター、ラグビーリーグワン東芝ブレイブルーパス東京契約ライター。近著に『JFAの挑戦-コロナと戦う日本サッカー』(小学館)

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