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サッカー日本代表・森保一監督に聞く、ワールドカップで優勝するには? 「国としてのエネルギーがないと絶対に勝てない」 (2ページ目)

  • 戸塚 啓●取材・文 text by Totsuka Kei

【ワールドカップ優勝国はすべて自国の監督】

 カタールワールドカップ後に森保監督が続投となったのも、代表強化の可能性を拡げるためと理解できる。

 4年ごとに監督が変わってきたこれまでのサイクルではなく、異なるアプローチでワールドカップへ向かっていけば──。8年のチーム作りの是非を検証し、さらなる長期政権を探ることもできるはずだ。

 もちろん、「4年のサイクルに戻すべきだ」との答えが出るかもしれない。はっきりしているのは、代表強化の幅が拡がる、ということである。

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── 元ドイツ代表監督のヨアヒム・レーヴ、現フランス代表監督のディディエ・デシャンは、監督として2大会目のワールドカップでチームを優勝へ導いています。

「継続には、メリットとデメリットがあると思います。日本には2大会連続でやった方がいないので、自分が初めてチャレンジさせてもらえるのは、率直に名誉なことです。そのうえで、果たして実際に何が起こるのだろう、という好奇心のようなものがあります」

── たしかに我々は、これまでなかった日本代表の強化を、今まさに目撃していると言えます。

「それを日本人監督がやるのと、外国人監督がやるのとでは、また違うかもしれないですが。そこの選択肢は無限ですので」

── それについては、ワールドカップの優勝国はすべて自国の監督に率いられている、という事実は見落とせません。

「過去のデータにはなくても、これから先は外国人監督に率いられた国が優勝するかもしれません。可能性としてはあると思いますけれど、自国の監督しか優勝していないというのも納得できます」

── 森保監督がそう考える理由とは?

「ワールドカップのようなギリギリの戦いでは、その国のサッカーのアイデンティティとかDNAといったものが戦い方に反映される。それが、チームの根幹にないといけない。

 もうひとつ、愛国心というか国に対するロイヤリティ(忠誠心)があり、最後にどれだけ踏ん張れるかとか、本当に勝つために死に物狂いで準備できるか、戦えるかというところは、自国の監督と外国人監督では、ほんのわずかかもしれませんが差が出てくるような気がします」

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