サッカー日本代表・森保一監督に聞く、ワールドカップで優勝するには? 「国としてのエネルギーがないと絶対に勝てない」 (3ページ目)
【3人とも日本人監督なのは意味がある】
── そのわずかな差が、勝負を分ける。
「日本代表を率いた外国人監督はすごい方々ばかりで、その時々で日本に足りないものを植えつけてくれたと思います、そして最終的にみなさんが指摘するのは、インテンシティをさらに高く、フィジカルをもっとたくましく、デュエルをもっと激しく、といったものです。
もちろんそれは、対世界での日本人選手の課題、日本サッカーの課題と受け止めています。ですが、日本人監督はその足りないものをどうやって補い、勝っていくのかを考えます」
── 長くその課題と向き合ってきたので、「どう補うのか?」という考えは深い。方法論も多いでしょう。
「ワールドカップでベスト16入りしたチームは、日韓共催だった2002年のフィリップ・トルシエさんを除くと岡田武史さん(2010年/南アフリカ)、西野朗さん(2018年/ロシア)、自分(2022年/カタール)です。3人とも日本人なのは、意味があると思うのです」
── 自国の監督は覚悟が違うと思います。日本に住んでいるのだから、逃げ隠れができない。家族との生活もある。そのなかで結果が出なければ、批判や非難を真正面から浴びることになります。
「自分が批判されるのは、ぜんぜん構いません。家族とか自分の周りにいる大切な人たちが傷つくリスクは、できる限り抑えたいですが」
── SNSにさまざまな意見が投稿される時代ですから。
「SNSに関しては、悪質な投稿は法律で発信した人を特定できるとか、最終的にその人にペナルティが与えられるといったことが、どこか拠りどころになりますね。『えっ?』と思うようなコメントがあると教えられることがありますけれど、僕自身は正直に言って気にしていません」
── その境地へ至るまでには、いろいろな思いがあったはずですが。
「たとえば、選手交代で僕はA選手を選びました。でも、なぜB選手を選ばなかったのかとか、4バックで戦ったけど3バックのほうがよかったじゃないかとか、具体的な提示があるとそれもヒントになるというか、今後の選択肢になりますよね」
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