ワールドカップ最終予選、サッカー日本代表の勝敗を識者が予想「全試合、全力投球」するべきか? (4ページ目)

【2チーム体制で準備を進めるくらいの大胆さを】

 およそ1カ月(あるいは、それ以上)ぶりの代表活動にもかかわらず、集合からわずか数日で迎える試合は、どうしてもぶっつけ本番になりがち。選手個々のコンディションにしても、チームとしての連係にしても、まだ準備が整っていないなかで臨むことになるからなのだろう。

 過去2回の最終予選で(W杯出場決定後の消化試合を除けば)日本が負けた試合は、すべて2連戦の初戦と、はっきりと結果にも表れている。

 その点で今回カギになりそうなのは、10月シリーズの初戦となるサウジアラビアとのアウェーゲーム。そして、11月シリーズの初戦となるインドネシアとのアウェーゲームだろう。

 相手は地元サポーターの熱狂的応援に背中を押され、実力以上の力を発揮してくることがあるだけに、日本はいかにいい準備をして試合に臨めるかがポイントになる。

 つまりは今年9、10、11月、それぞれの初戦3試合がカギとなるわけだが、裏を返せば、年内の6試合を無傷で乗りきってしまうようなら、早々に大勢が決してしまう可能性もある。

 ヨーロッパに身を置く選手が増えた日本は、それによってアジアでは明らかに頭ひとつ抜けた存在になった一方で、アジアでの戦いに集中しにくい環境が生まれたとも言える。

 準々決勝敗退に終わった今年1月のアジアカップにしても、敗因は戦術面ばかりでなく、各選手のモチベーションの低さがかなり影響していたはずだ。

 各国リーグ戦はもちろん、チャンピオンズリーグやヨーロッパリーグといったしびれる戦いを繰り広げている最中に、お世辞にもレベルが高いとは言えないアジアの試合に集中しろというのは酷な要求に違いない。

 だからこそ、毎試合ベストメンバーの招集にこだわるのではなく、主力を休ませる時は休ませる。そして若手を中心とした代表歴の浅い選手も積極的に登用し、最終予選を乗りきると同時に、チーム力の底上げを図ってほしいと思うのだが、森保一監督の頭にその考えはないようだ。

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