パリオリンピックの大岩ジャパンを対戦国の指揮官&メディアが称賛「金メダル候補はスペインか日本」 (2ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

【「日本は我々より優れていた」】

 今回、パラグアイがオリンピックにかける期待は大きかった。銀メダルを獲得した2004年アテネオリンピック以来の出場。そしてなにより、彼らは南米予選でエンドリッキ擁するブラジルを破って出場権を手に入れたのだ。だからこそ、日本戦の大敗は信じられない結果だった。しかもパラグアイは日本に「負けた」というより、「徹底的に破壊された」と言ってもよかった。

 パラグアイの大手新聞『ディアリオABC』は「屈辱の大会デビュー」という見出しをつけて報じ、ラジオ局『レッド』は「日本は3-0になってもアクセルを踏むのを止めなかった」と日本を称賛した。『パラグアイTV』で「日本のプレッシャーと才能から逃れる方法はなかった」と語るコメンテーターは、試合後、ひと言「KOだ」と漏らした。またパラグアイの有名ジャーナリスト、ディエゴ・カルボーネは「パラグアイは日本のスピードの前になす術がなかった」と分析した。

 すべてを如実に表しているのはパラグアイの監督、カルロス・ハラ・サギエルの言葉だろう。

「我々は日本の前で弱く、混乱していた。日本は確実に我々より準備ができていた。この0-5という結果は重い。しかし、試合を見た者なら誰もが、日本はサッカー的に我々より優れていたことがわかっただろう」

 日本を称賛しているのは、直接対決したチームだけではない。開催国フランスのテレビ局は中継で日本のことを「チャンピオンに必要な資質をすべて持ったチーム」「なんらかのメダルを勝ちとるだろう」などと紹介している。また、出場を逃したブラジルのさまざまなメディアも「この大会の若き日本のサムライたちから決して目を離してはいけない」と言っている。

 筆者も今後、特に山本理仁や荒木遼太郎、そして守護神の小久保玲央ブライアンに注目していきたいと思っている。とにかく日本は優秀な若い世代がいることを世界に知らしめ、そのサッカーの未来が明るいことを示した。

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