鮫島彩は2011年ワールドカップ優勝のなでしこジャパンの試合中に思った「なんでこんなに楽しいんだろう」 (2ページ目)
【2011年ワールドカップ優勝で"欲"が出た】
――2011年ワールドカップでは、宮間あやさんと左サイドを組むことで、鮫島さんのサッカーも変化したのではないでしょうか? ふたりがすごく楽しそうに見えていました。
ホントに楽しかったです! あやさんとサッカーをやっていると「楽しい!」って感じるんですよ。プレー中にそう感じることって基本ないんです。常に頭がフル回転しているから。でも、あやさんと組んでいる時って、なんでこんなに楽しいんだろうって、試合中なのに思っちゃう。
2011年W杯で鮫島彩は宮間あやとのコンビでピッチを走り回った photo by Hayakusa Norikoこの記事に関連する写真を見る――試合中に大爆笑していることもありました。
そう(笑)。一番テンションが上がるのは、私はどっちかというと攻撃的なので、前に走って行きたいんですけど、走ると必ずいいボールが出てくるところ。あやさんが最高のボールを出してくれるあの感覚って、あのメンバーだったからですね。
でも、意外と守備の時も面白かったんです。あやさんは、後ろにいる自分がやられる姿を見たくないと思って、前線から守備をしてくれるんです。とにかく協力! そんなつながりがふたりだけじゃなくて、11人でサッカーをやっているんだというのを本当に実感できるのがあのメンバーでした。
――そんな2011年の優勝、今振り返るからこそ言えるあの大会で得たものとは?
"欲"じゃないですかね。トップに立ったと言っても、あの時日本はダークホースで、日本への対策がそんなにされてなかったじゃないですか。ドイツにしてもアメリカにしても、まさか日本に負けるなんて思ってなかったと思うんです。この先、戦って結果を残すのは確実に難しくなるのはわかっていたし、優勝したとはいえ、自分のプレーが満足いくものでもなかった。
もっとうまくなったらあやさんに、澤(穂希)さんに、(阪口)夢穂にいいパスを出せる。そうしたらチームがよくなる。少しでもチームの役に立ちたいっていう欲が出てきた大会でした。
――それは翌年のロンドン五輪ですごく苦しみながら銀メダルを獲ったことで、多少は満たされました?
全然です! きっと金メダルを獲ってもそうは思えなかったと思います。この欲はずっと満たされないものなんじゃないかな。だから、延長に次ぐ延長でここまでサッカーをやり続けたんだと思います。
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