谷口彰悟「自分を育てた熊本に貢献したい」 子どもたちにサッカーを通して感じてほしかったこと (4ページ目)
【未来を思い描いて、踏み出した一歩】
それによって、時には喜びを、時には悔しさを、その刺激により喜怒哀楽を知り、チームワークを養い、向上心を抱き......自分を形成するすべてを育ててもらった。
その感謝が根底にあるからこそ、今、熊本でサッカーをしている子どもたちに、自分が"刺激"を与える存在になれたら。
子どものころ、サッカーを通じて友だちができ、ボールを蹴って絆を深め、いろいろなチームと対戦して、勝ったり負けたりと、感情を揺さぶられた。そのたびに楽しさを、そのたびに悔しさを、そして、もっとうまくなりたい、強くなりたいと思っていた。
サッカーがいろいろなことを経験させてくれたから、今度は自分がそれを経験させる存在になりたい。その思いから開催したイベントだった。
"一歩"と記したように、今回のスクールは初のことだっただけに、日数や人数も限定して開催させてもらった。今後、こうしたイベントを継続してくことで、刺激を与えられる子どもたちの数や回数を増やしていければと考えている。
子どもたちがサッカーを通じて、さらに喜怒哀楽を感じる大きな舞台を提供することができれば──。それを多くの人たちに知ってもらい、見てもらう機会にできれば、これまでになかった新しい刺激になるだろう。
そうした未来を思い描いて、踏み出した一歩だった。
◆第22回につづく>>
【profile】
谷口彰悟(たにぐち・しょうご)
1991年7月15日生まれ、熊本県熊本市出身。大津高→筑波大を経て2014年に川崎フロンターレに正式入団。高い守備能力でスタメンを奪取し、4度のリーグ優勝に貢献する。Jリーグベストイレブンにも4度選出。2015年6月のイラク戦で日本代表デビュー。カタールW杯スペイン戦では日本代表選手・最年長31歳139日でW杯初出場を果たす。2023年からカタールのアル・ラーヤンSCでプレーしたのち、2024年7月にベルギーのシント・トロイデンに完全移籍する。ポジション=DF。身長183cm、体重75kg。
著者プロフィール
原田大輔 (はらだ・だいすけ)
スポーツライター。1977年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌『ワールドサッカーグラフィック』の編集長を務めたのち独立。Jリーグを中心に取材し、各クラブのオフィシャルメディアにも寄稿している。主な著書に『愛されて、勝つ 川崎フロンターレ「365日まちクラブ」の作り方』(小学館クリエイティブ)など。
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