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谷口彰悟「自分を育てた熊本に貢献したい」 子どもたちにサッカーを通して感じてほしかったこと (2ページ目)

  • text by Harada Daisuke

【500名もの応募から責任を持って選んだ】

 かねてから構想は練っていたが、時期やタイミングが合わず、行動に移せずにいた。その思いを今年、ようやくひとつ具現化させることができた。

 それが地元・熊本にて『SHOGO TANIGUCHI SOCCER SCHOOL』を開催しようと思った経緯だ。

 これまでも折をみて、地元での活動にゲストとして参加させてもらう機会はあったが、自分が主導となり、イベントを開催するのは初の試みだった。それをひとつの目標としていただけに、僕にとっては大きな、大きな"一歩"を踏み出せた実感がある。

 ただ、告知する前は、少なからず不安もあった。参加者を募っても、人が集まらないのではないか。誰も興味や関心を寄せてくれないのではないだろうか。不安はあったが、自分のSNSで告知すると、ありがたいことに定員である60名に対して、熊本在住に限定して告知したにもかかわらず、県外からの希望者も含めると約500名もの応募があった。

 その数字を聞いた時には、安堵感を覚えるとともに、なおさらイベントをよりよいものに、充実したものにしなければならないとの責任感も増した。

 開催したサッカースクールには、小学1年生から3年生までの30人、小学4年生から6年生までの30人に参加してもらった。約500人の応募から60人の参加者を決めるのは容易ではなかったが、応募の際の情報にも目を通しながら、責任をもって選ばせてもらった。

 僕がこだわったポイントはいくつかある。ひとつは熊本に住んでいる子どもであること。他県からの応募もたくさんあり、その気持ちや意欲はありがたかったが、地元に貢献したいという思いを優先して、今回は熊本に住む子どもたちに参加してもらった。

 次にこだわったのが、サッカー歴や所属チームだった。低学年と高学年に分かれて行なったイベントでは、あえてサッカー歴がバラバラになるようにした。

 サッカー歴がすでに数年という子どももいれば、これを機にサッカーを始めたいと考えている子どもも選んだ。所属チームも偏らないようにしたのは、初対面の相手とのプレーやコミュニケーションを図る機会をつくり、楽しんでもらいたいと思ったからだ。

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