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パリ五輪代表メンバーをアメリカ遠征招集25人から読み解く OAはナシの可能性も (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

【五輪に出場できない選手はさらに増える?】

「格」は代表選考において重要な要素となるが、一方で、五輪招集ではその格が災いになることもある。格上のクラブは五輪への出場を許さない可能性が高まる。さらに格上のクラブから引き抜かれるかもしれない。五輪の最終メンバーに、海外でプレーする実力者を選びにくくなっているのは確かだ。それがすでにはっきりしているのは久保建英(レアル・ソシエダ)と鈴木唯人(ブレンビー)のふたりだが、最終的に招集できない選手は彼ら以外にも出るだろう。

 松村は今季のJリーグにおいて先発出場はない。出場6試合はすべて交代出場だ。監督のランコ・ポポビッチとの相性が悪い様子だが、足が速く一芸に秀でているところがあり、捨てがたい魅力があることも確かだ。昨年11月に行なわれたアルゼンチン戦でも、鮮やかなゴールを決めている。五輪本大会に出場できない選手が増えるとチャンスが回ってくる可能性がある。

 今回のパリ五輪は、これまでの五輪とはチーム編成を巡る様相が違ってきている。日本が強くなった証。ひと言でいえばそうなる。だが、一方でメダルは狙いにくくなっている。純然たるU-23日本代表すら組めなくなっている。

 オーバーエイジしかり。欧州組と五輪の関係の悪さは、ここにきて目立っている。それならば、オーバーエイジを佐野海舟(鹿島)、毎熊晟矢(C大阪)を筆頭とする日本代表の国内組から出すという手もある。今回のアメリカ遠征のなかにそうした選手を加えてもよかったわけだが、協会側はそれもしなかった。

 筆者はそれでいいと考える。サッカー後進国であるうちは五輪も重要な国際大会になるが、欧州組が100人を超えたいま、必要以上に騒ぐべきものではなくなった。もちろん出場するからには好成績を収めてほしいが、無理をしてはいけない。

 まずW杯ありき。2026年6月こそが本番であるという認識を、協会はもとより、報じる側ももっと持たなければならない。サッカーを他の競技と同じ土俵で語るなと、言いたくなる。

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