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パリ五輪代表メンバーをアメリカ遠征招集25人から読み解く OAはナシの可能性も (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

【荒木遼太郎はチームにどうはまるか】

「今回はFC東京にお願いした」という山本昌邦ナショナルチームダイレクターのコメントに、これまでの経緯をうかがい知ることができる。

 バングーナガンデはA代表出場歴もあるU-23日本代表の常連で、荒木は長らく選外だった選手だ。U23アジアカップでは、荒木を呼びたいがためにバングーナガンデを外した。そして今回は、FC東京にお願いして両選手とも呼んだ。U23アジアカップの荒木は大岩監督のお眼鏡に適う出来映えだったと考えるのが自然だ。

 パリ五輪本大会は1チーム18人で戦う。フィールドプレーヤーに限るとわずか16人になる。これにオーバーエイジが加われば、U-23の選手の数はさらに減る。メンバー入りは文字どおり狭き門となる。複数ポジションをこなすことができる多機能型選手が有利と言われる理由であるが、とはいえライバルは、キャラの被る選手になる。荒木にはそのライバルが少ない。同じタイプの選手が見当たらない希少価値のある選手だ。いまの時代に適合した新タイプの10番が、チームにどうはまるか。筆者はアメリカ遠征の大きな見どころのひとつだと考える。

 中盤で、田中に代わって入った佐野航大は今季、ファジアーノ岡山からオランダのNECに移籍。シーズン後半、出ずっぱりの活躍を演じたMFだ。ライバルは藤田、山本、川崎らになるが、NECはUEFAリーグランク6位のオランダリーグで今季6位に食い込んだ好チームである。

 シント・トロイデン(藤田、山本)や京都(川﨑)より、クラブのランキングはずっと上。選手の格ではすでに上回った状態にある。年長の選手に対し、一発逆転があったとしても不思議はない。

 ウイング系では山田楓喜が外れ、斉藤、三戸、松村の3人が復帰した。山田はJリーグの前々節、町田戦は前半で退き、前節のヴィッセル神戸戦ではメンバー外だった。選外に漏れた理由と少なからず関係があると見る。ただし、代わりに入ったスパルタ(オランダリーグ8位)所属のふたり(斉藤、三戸)は、チームに欠かせぬ戦力として1シーズン活躍した実績が光る。山田より選手としての格は上だ。

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