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サッカー五輪代表、パリ行きがピンチってホント? 4月の最終予選が厳しく過酷な理由 (3ページ目)

  • 池田タツ●取材・文 text by Ikeda Tatsu

【アジア各国のレベルアップ】

 また、今大会からさらに予選が難しくなった要素として、ワールドカップのアジア枠増大も影響しているという。

「ワールドカップの出場国がアジアで増えたことによって、トップ4の次のグループが強化をさまざまな面で進めていて、そこに育成の強化というのが入ってきていて、(アジアのほかの国々にも)アンダー世代のなかから世界に出てきている選手たちが育ってきている。そういう流れもあって、ここからのワールドカップの枠とオリンピックの3.5枠というのは本当にハードルが高いものだと思っています」(山本ND)

 今回の最終予選は、呼びたい海外組の選手を呼べず、大会日程も変わって4月のカタールという酷暑のなかで戦うことになる。そんな向かい風が多い「過去に例のない状況」のなかで、日本はレベルが上がったアジアを勝ち上がらなければいけないのだ。

 大岩ジャパンは発足以来、親善試合では強豪国との対戦を優先。アジアとの対戦経験も、ドバイカップ、AFC U23アジアカップ ウズベキスタン2022、1次予選、アジア大会で積んできた。今大会は最終予選から五輪本大会までの期間が短かく、本大会でメダルを狙うための強化と、予選を突破するための強化の、どちらも同時進行で行なう必要があった。そんななか、アフリカ勢との対戦がなかったが、マリ戦でようやくそれもアンロックできた。

 最終予選前最後の2試合を終えたあとの会見では、大岩監督から堂々たる決意を感じた。

「積み上げてきたものは、選手たちがこの2年で個人的に成長した部分もあるし、チームとしての練度や回数を重ねることで、守備でも攻撃でも目線を合わせる作業をしてきた。そういう部分は期待して選手を選びたいし、送り出したい。今回厳しい2試合をやることで、選手がもう一回『甘くないんだよ』と。サムライブルーのアジアカップを見てもそういう気持ちにはなったでしょう。今回自分たちが戦ったなかで、それを感じる部分がたくさんあったと思う。そういう部分も含めて最終予選に向かいたい」(大岩監督)

 ここまで最終予選の厳しさをつらつらと書いてきたが、厳しい最終予選だから負けてもしょうがないという話ではない。8大会連続の五輪本戦出場は絶対に成功させなくてはいけないミッションであるということを、あらためて一記者としてプレッシャーをかけておきたい。

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