サッカー五輪代表、パリ行きがピンチってホント? 4月の最終予選が厳しく過酷な理由 (2ページ目)
【海外組で招集できない選手がいる】
日本サッカーが置かれている環境が大きく変わってきたことも、五輪予選をさらに難しくしている。それが海外組の増加だ。山本NDは「(海外組で)正直呼べない選手が何人かいる」と明かした。
今の日本サッカーは、五輪世代にもU-20世代にも海外でプレーする選手が多くいる。それは「A代表の強化にもつながっている」とポジティブな面を認めつつも、「ひとつの転換点を迎えている」ことを山本NDは訴えた。
昨年9月、国内に所属する選手に対しては、五輪予選や本大会での招集に関してルールを作り、Jクラブや大学もそのルールのもとに協力する体制を築いた。だが、あくまでもそれは国内のみの話であり、五輪世代に多くの海外組が増えた今、海外のクラブの協力や連携も必要になってきている。
最終予選はIW(インターナショナル・ウインドー/各国協会が代表選手を招集できる期間)ではない時期に行なわれるため、海外のクラブが日本代表に選手を出す義務はない。今回の最終予選が行なわれる4月は欧州リーグにとってリーグ終盤の重要な時期でもある。
当然ながら招集を拒否するクラブが多い。JFAも海外オフィスを設けて、欧州クラブとの密なコミュニケーションを取ってはいるが、それでもなお招集のハードルは高い。
昨年行なわれたアジア大会もIW外で行なわれ、選手招集に苦労した(実質セカンドチームといったメンバー構成で臨んで準優勝という結果を手にしたが)。山本NDはそんな状況を「日本の底力が試されている」と言う。
「今回のメンバーのなかにも、アジア大会のメンバーが何人か入っていただいています。そういう成長は我々が目指していかなければいけないところ。大岩剛監督をはじめとした現場にはそういったことをうまく活用して、成長につなげてもらっているのはうれしい。そこのチャンスを生かして、選手が自信を持って入り込んできた。こういうことのほうが大事で、たとえば才能がどんなにあっても、いい経験をしなければなかなか成長は難しいと思う」(山本ND)
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