田中碧の「驚異的な得点率」に注目 アジアの戦いにおいて「相手を崩しきれる男」の価値は高い (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei

【煮えきらない戦いが続く日本代表で高まる存在感】

 現在の日本のボランチには、ワールドクラスとなりつつある遠藤航(リバプール)を筆頭に、守田英正(スポルティング)、旗手怜央(セルティック)と川崎フロンターレ時代の同僚に加え、佐野海舟(鹿島アントラーズ)、川村拓夢(サンフレッチェ広島)といった若手の台頭もある。

 それぞれの特徴が異なるなかで、田中の売りとなるのはやはり、その攻撃性能の高さだろう。この日のゴールで、代表通算26試合・8得点。中盤の選手としては驚異的な得点率である。

「個人的なことで言えば、自分の力で点が取れれば、もっといい選手になれるのかなと思う。それはミドルだったり、自分で打開して取ったりだとか。もちろんそういう選手じゃないんですけど、そういう形で取れれば、よりいい選手になれるのかなと思います」

 2024年に入って煮えきらない戦いが続く日本代表にとって、求められるのはやはり得点力である。ハイプレスからのショートカウンターが通じないアジアの戦いにおいては、いかに相手を崩しきるかが何よりのテーマとなる。

 2次予選の残り3試合、そして9月から始まる3次予選に向けて、気の利いた位置取りと高い技術を駆使してギャップを生み出せる、田中の存在感は高まっていくはずだ。

プロフィール

  • 原山裕平

    原山裕平 (はらやま・ゆうへい)

    スポーツライター。1976年生まれ、静岡県出身。2002年から『週刊サッカーダイジェスト』編集部に所属し、セレッソ大阪、浦和レッズ、サンフレッチェ広島、日本代表などを担当。2015年よりフリーランスに転身。

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