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サッカーYouTuber・レオザフットボールがアジア杯を振り返る 森保監督は戦術家として「全然足りてないというか浅い」 (3ページ目)

――アジアカップの結果を受けても解任などの話がサッカー協会から一切出なかった。

「協会が考える代わりがいないこと、加えて森保さんは、田嶋さんにすごく気に入られていますよね。監督のなかには自分のアイデアを押し付けたり、選手とハレーションを起こしたり、選手の気持ちすら考えられない人もいます。そういう観点からいうと森保さんは、大きなトラブルを起こさないですし、選手の話も形だけかもしれませんが、よく聞いてくれます。スポンサーに配慮するサッカー協会としては、非常にいい監督なんだと思います」

――今後も森保監督の指揮に明るい光は見えない。

「森保さんの選手を労わるところは大事です。ひどい監督だと試合が終わった後、自分の保身のためか、『あの選手がダメだった』とか、『あのプレーがダメだ』とか平気な顔をして言うんです。みんなの見ている前でディスられるのを耐えられる選手って少ない。それをしてもうまくマネジメントできるのは、圧倒的な実力と人心掌握術がある(イビチャ・)オシムさんやペップ(ジョセップ・グアルディオラ)みたいなタイプだけ。森保さんは心理カウンセラーになりたかったようですけど、自分の能力を理解していて、人の心を理解することを大事にしている。でも、それだけじゃ目線が揃わないですし、試合では勝てない。今後も大きくは変わらない。現状では監督というよりも選手の力に期待するしかないでしょう」

――選手の力、ですか。

「カタールW杯でのスペイン戦、ドイツ戦で見せた浅野(拓磨)や田中(碧)のシュートは、まさに再現性の低いスーパープレーでした。選手はスーパープレーを出力できるレベルになっているので成長しています。あとは監督なんですけど、いいプレーが多く出るようにデザインしよう、または相手の嫌がることをやってピンチを減らそうというチーム作りに至らない。だから今、勝つためには選手のスーパープレーを待ちましょう、期待しましょうとしか言えないですね」

――カタールW杯以降は、ボールを保持して戦うことをメインにしてきましたが、その成果については、どう判断をしていますか。

「理想を持つことは大事ですが、現実から目を背けてやるべきことを怠っていては絵空事です。ボールを扱わない状態で守備を整理するチームを作れない監督に、ボールを保持して勝つ確率を上げるチームを作ることはできません。そのツケが戦力的に圧倒していながらロングボールに対応できずボールもつなげず敗れるというイラン戦の内容と結果にハッキリと出ています」

(>>『伊東純也離脱問題にレオザフットボールが警鐘「サッカー協会おかしいぞってみんなが言い続けないといけない」』)シュワーボ東京のジャージを着るレオザフットボール(本人提供写真)シュワーボ東京のジャージを着るレオザフットボール(本人提供写真)この記事に関連する写真を見る■Profile
レオザフットボール(れおざふっとぼーる)
2016年よりYouTubeチャンネル『レオザフットボール』を開設し、活動を開始。歯に衣着せぬ鋭い配信にファンがじわじわと増加中。現在のチャンネル登録者数は23.3万人(2024年3月時点)。並行してサッカー指導者としての顔も持ち、自身で立ち上げたシュワーボ東京(東京都社会人サッカー連盟3部)の監督兼オーナーを務めている。
YouTubeチャンネル:@leothefootballtv7690

著者プロフィール

  • 佐藤 俊

    佐藤 俊 (さとう・しゅん)

    1963年北海道生まれ。青山学院大学経営学部卒業後、出版社を経て1993年にフリーランスに転向。現在は陸上(駅伝)、サッカー、卓球などさまざまなスポーツや、伝統芸能など幅広い分野を取材し、雑誌、WEB、新聞などに寄稿している。「宮本恒靖 学ぶ人」(文藝春秋)、「箱根0区を駆ける者たち」(幻冬舎)、「箱根奪取」(集英社)など著書多数。

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