サッカーYouTuber・レオザフットボールがアジア杯を振り返る 森保監督は戦術家として「全然足りてないというか浅い」 (2ページ目)

――森保監督について戦術家としては、どういう評価ですか?

「戦術家としては全然足りていないというか、戦術が浅いですね。一般的に戦術と言われるものは、僕はチームでは『原則』とか『ルール』という言葉に置き換えています。それがないとまとまって戦えない。でも、こういう戦術をやりたいんだって言ってやれるわけじゃないんですよ。それは各自に明確な役割を課すことによって全体像として浮かび上がってくるものなんです。森保さんは、コンセプトベース部分では伝えているとおっしゃっていますが、ひとりひとりに細かい役割を課していない。だから、選手は何をしていいのか分からなくなる。その結果、守田(英正)や三笘(薫)ら選手から『もっと具体的に言って欲しい』という声が出てきているんです」

――コンセプトと枠組みはあるが、中身がともなっていない。

「森保さんのように、『自分たちでやっていいよ』と自由を与えてしまうと、できる選手と、できない選手に差が出てきます。また、選手は自由で、多くの選択肢を持てるがゆえに選択肢を間違えてしまうこともある。だから、できるだけ噛み砕いて、ピンチを減らしてチャンスが増えるように、そこに導いてあげるルール作りをしていくことが重要なんです。でも、森保さんはそれをチームでやっていないのではないか。劣勢になっても終始、なんでもありなので、選手からは『どうしたらいいのか』という声が出てくるし、考え、試合中に悩んでしまうんです」

――自由なところ以外の基準を明確にするということでしょうか。

「そうです。サッカーでは、あいつはこう言っているけど、俺はこうしたいという選手が必ず出てきます。久保(健英)や守田がいくら言っても伊藤(洋輝)は、ポジショニングを変えないみたいな。その時、監督が選手にきちんと伝えなきゃいけない。ジーコジャパンの時、福西(崇史)や宮本(恒靖)が中田(英寿)とピッチ上で守備について議論したとかあったじゃないですか。そういう時、監督が意見をまとめて、『これでいくよ』と決め、それに従えない選手は組織に入れないことがすごく重要です。しかし、森保さんはそういったディテールを詰めた約束事の徹底が苦手です」

――一部の選手からは森保監督は良い監督という声も漏れてきます。

「この場合の『いい』の意味は揉め事を避け、敵を作らない能力に長けている人という意味ですね。選手が批判に至らないのは、人間としての情と自分のメリットを考えてということだと思います。お世話になっているのは事実ですし、監督を批判して、代表から外れたくないと考えるのは、セカンドキャリアや代表選手というバリューを考えると当然ですので、それは悪いことではないです」

――森保監督が監督として良いところはありますか。

「森保さんは、こういう選手は呼ばないという判断はしっかりしていると思います。守備の強度をしっかり出し続ける選手しか招集しない、輪を乱す選手は起用しない、部下ともめないとか、そのコンセプトを頑固に守るというのは良いことだと思います。また、森保さんは、チームのために戦えるかというのを重視していますが、そこは僕も監督業をする中ですごく大事なところだと思っています」

――ドイツやスペインに勝ったという実績もあります。

「なぜ、ドイツやスペインに勝てたのかというと、ドイツやスペインは強くて格上で、日本を圧倒してくるわけじゃないですか。その時、水際で必死に防ぐために頑張らないといけないですし、それしかできないので全員の目線が揃って戦い、権田の活躍で耐え凌いだ末にスーパーゴールも生まれた。でも、コスタリカやクロアチア、今回のイラン、イランのように力が拮抗した場合、やり方が複数出てくるので、ひとつに統一できず、全員の目線が揃わなかった。ドイツ、スペイン戦は、監督が揃えられない目線を、状況が揃えてくれたのです」

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