久保建英「今日は彼がMVP」 毎熊晟矢が日本代表右SBの序列をひっくり返しつつある (3ページ目)
【積極的なプレーで最多のボールタッチを記録】
3-1としたあとの日本は、FWの枚数を増やした相手に合わせてCBを投入した。守備時は5バックとなることで毎熊のポジションもやや後方になるが、後半アディショナルタイムにも敵陣へ飛び出していった。サイドバックとしての活動量も、彼の長所にあげられる。
ボールへの関わりも多い。後半のアディショナルタイムが終わろうとするところで、電光掲示板にボールタッチ数が表示された。両チームの選手から上位5人を抜き出したもので、最多は毎熊だった。サイドバックのポジションで、いかにゲームに絡んでいるのかがわかるだろう。
準々決勝のイラン戦は、バーレーン戦から中2日で行なわれる。森保監督のここまでの起用法から判断すると、いくつかのポジションで選手の入れ替えがあるかもしれない。
毎熊について言えば、ここまではディフェンス面での負荷がそこまで大きくない。押し込まれたなかでどこまで攻撃に関われるか、それも負けたら終わりのハイプレッシャーのなかでこれまでどおりの回数を確保できるかといったことについては、インドネシア戦とバーレーン戦では確認しきれていない。
そのうえで、イラン戦でも毎熊を見たいとの声は高まっている。優勝候補同士の激突で価値ある働きを見せれば、彼だけでなくチーム全体へ勢いが波及するだろう。
開幕前はスポットライトの外側に立っていたマイクに、光が当たりつつある。
著者プロフィール
戸塚 啓 (とつか・けい)
スポーツライター。 1968年生まれ、神奈川県出身。法政大学法学部卒。サッカー専
門誌記者を経てフリーに。サッカーワールドカップは1998年より 7大会連続取材。サッカーJ2大宮アルディージャオフィシャルライター、ラグビーリーグ ワン東芝ブレイブルーパス東京契約ライター。近著に『JFAの挑戦-コロナと戦う日本 サッカー』(小学館)
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