対戦国が見た日本代表 森保ジャパンの長所と課題、そして失望を外国人記者が語る (2ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

【「日本の課題が見えた試合だった」】

 一方、ダマル・ジャファ記者はもう少し公平にこの試合を見ていた。

「日本がインドネシアよりも格段に上であるのは明らかだった。インドネシアは日本を止めるために、かなりラフなプレーをしていたが、それでも、どんな時でも日本のクオリティはインドネシアよりすっと上だった。日本はイラクに敗れ、傷ついていたが、すでに立ち直りつつあった。いずれにしてもインドネシアにとっては歴史的な試合だった。世界的に有名な選手たちから1ゴールを奪ったのだから。日本がこの大会で優勝したいなら、このインドネシア戦でのようなプレーを続けてはいけない」

 インドネシアの韓国人監督シン・テヨンの言葉も聞いてみよう。

「日本に52分まで(2点目の)ゴールをさせなかったことには満足している。今日の試合はとても難しいものだったが、我々は多くのことを学んだ。日本のレベルの高さ、スピードの速さ......。しかし我々インドネシアも、運のよさでこの大会に出場できたのではないことを証明できた」

 彼は日本戦へのアプローチについてこう語る。

「選手たちから恐れを取り除くのが大変だった。インドネシアの選手たちは非常に緊張してピッチに入ったし、負けることもほぼわかっていた。しかし試合中に、選手たちはピッチでは11対11であることを思い出した。日本はもちろんリスペクトしてしかるべきチームだが、私は選手たちに、『自分たちのこともリスペクトしろ』と言った。私は選手のひとりひとりに、『日本に対していい試合をすれば、スコアなど関係ない』と言い聞かせた。我々にとってこの試合は、文句なくすばらしいものだった。だが日本にはいくつかの課題が見えた試合だったと思う。それを解決するのは私の仕事ではないがね」

 さて、最後に筆者がここまでどのように日本代表の試合を見たかを述べておこう。

 森保監督はチームにいい戦術を与えていた。それは明確で有効なものだった。しかし選手たちはそれを気にせず、どこか自分勝手にプレーしていたように見えた。それは彼らがヨーロッパでプレーしているからなのか、世代的なものなのかは私にはわからない。とにかく皆、自分の力を過信していて、個人主義がいきすぎていたように感じた。それが日本のプレーを弱らせていた。

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