対戦国が見た日本代表 森保ジャパンの長所と課題、そして失望を外国人記者が語る

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

対戦国が見た日本代表(後編)

前編『日本代表をアジアカップ対戦国はどう見たか トルシエが指摘する「日本の弱点と長所」』>>

 アジアカップ、グループリーグ3戦目のインドネシア戦で、日本は3-1と順当に勝利を得て、グループ2位で決勝トーナメント進出を決めている。しかし、アディショナルタイムに入り日本に一矢を報いたことは、インドネシアにとって大きな出来事だったようだ。

 GKのエルナンド・アリ・スタルヤディは試合を振り返り、こう言っていた。

「結果を覆すことはできなかったが、インドネシアは日本を驚かせることができた。これは重要なことだ」

 ゴールを決めたサンディ・ウォルシュも喜びを隠せない。

「我々は満足して家に帰ることができる。アジアカップに出場できたから、だけじゃない。世界でもトップクラスのチームと戦うことができ、そのチームを苦しめたからだ。日本は我々を下すのに苦労したと思う。つまりインドネシアサッカーは急速な成長を遂げているということだ。

 日本は我々の目標でもあり、いつかは越えなければいけない壁だ。僕たち選手は、日本と大舞台で戦うのを楽しみに待っていた。世界的にも有名な選手がたくさんいるし、この大会の最も強いチームのひとつだ。日本は今、絶好調ではなかったのだろうけど、インドネシアにとってはベストのプレーをした日だった。我々は負けたけど、ひどい形の敗戦ではないし、プレーの内容を反映させるなら、3-1以上だったかもしれない。日本がいいプレーができなかったのは、インドネシアが頑張ったせいであると自負している」

インドネシアに勝利し、ほっとした表情の遠藤航ら日本代表選手たち photo by Reuters/AFLOインドネシアに勝利し、ほっとした表情の遠藤航ら日本代表選手たち photo by Reuters/AFLOこの記事に関連する写真を見る インドネシアの記者ディレスティ・スレイマン氏も日本の3-1には懐疑的だ。

「試合開始直後のPKには疑問が残るし、オウンゴールとなった得点は、日本が思っていたより強くなかったことを表わしていると思う。日本はヘタをするとイラク戦に続き、ひどい日をすごすところだった。もしインドネシアがすぐに失点をしておらず、もう少し落ち着いてプレーできていたら、違う結果になっていたかもしれない。なぜなら日本もかなりイラついていたからだ。インドネシアは日本を苦しめた。インドネシアが負けるのは誰もがわかっていたことだが、思った以上にやってくれた」

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