森保一監督「ちょっと鳥肌が立ちました」 中村憲剛&佐藤寿人からの若い選手たちの話に「聞いていてうれしい」 (4ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei

森保 同じ感覚ですね。本当に突き抜けた向上心を持っている人たちの集まりですから。

憲剛 特に今のグループはそう感じます。どんどん先に進んでいくから、足りていない選手は置いてかれてしまう。だから、国内の選手たちは「外に出なきゃ」という危機感が生まれるだろうし、たぶんあの集団のなかにいるだけで、意識改革がされていくんだろうなと。冨安(健洋/アーセナル)とか遠藤(航/リバプール)の話を聞いていると、そう感じますね。

寿人 この前のドイツ戦の後の久保(建英/レアル・ソシエダ)くんのコメントを聞いても、そう思いましたね。今までだったら、ドイツなんて胸を借りるような相手じゃないですか。でも、同じ土俵で戦っているんだなって。

憲剛 普通にやれるでしょ、みたいな感じだからね。実際に普通にやって、普通に勝ったわけだけど。

寿人 僕らの時代って、ワールドカップでいかに勝つかっていうところまで、考えが及んでいなかったですよね。まずは「どう出るか」みたいな感じで。でも今の選手たちは、世界で勝つことを普通に考えている。

憲剛 本気で上を目指しているよね。もちろん僕らも目指してはいたけど、そこまで道のりが今ほどは見えていなかったと思う。なぜなら、そういう戦い方を自分たちができなかったから。

 でも今のチームは、カタールでドイツとスペインに勝ったことで、明らかに視座が高くなりましたよ。それは代表選手だけではなく、下の世代にも影響を与えていると思います。

 U-17ワールドカップでもスペインとやって結果的には負けましたけど、A代表が勝ったことで彼らは臆(おく)することがなかったと思います。それって実は、国としてすごいことだなって思うんですよね。

森保 それは大きいですよね。国内にいながらにして「世界と戦える」と普通に思える感覚になってきているのは。

 今のA代表の選手たちはふだんからヨーロッパの舞台でプレーしていて、常に世界のタレントのなかで揉まれながら、自分の立ち位置を取れている。あの競争力のなかでやれているからこそ、ワールドカップでも普通にプレーできるんです。ドイツにしてもスペインにしても、もちろん彼らはすごいけど、「こういう弱点があるよね」ということを平気で言うんですよ。

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