三笘薫、伊東純也は止められない 日本代表は雪辱を期すドイツを返り討ちにできるか (4ページ目)
【三笘薫と伊東純也は止められない】
――プレミアリーグでは三笘に2人つけてきて、3人目も行くくらいの対策をやったチームがありますが、ドイツはそこまでのことはしないですかね?
清水 したら驚きですけど、それをやったらあんまり前からプレスに行けなくなっちゃうから、どうするんだろう? それも踏まえてあまりやらない気はします。
西部 作戦的に対策を立てるかどうかと言ったら、立てないような気がします。1対1で止めろ! という方針だと思うんですが、恐怖心はあるでしょう。
清水 初見で三笘は結構つらいですよね。相手にとってはきっと。
西部 三笘はプレミアリーグで活躍しているので「すごい!」と言われているけど、伊東純也もすごいです。双璧ですよ。止めるのは相当難しい。
清水 久保建英が出るんだったら久保でいって、途中から伊東なんていうのも滅茶苦茶効きそうなんですけどね。久保もいいプレーをずっとしてきているので。コンディションが良ければ僕はスタートからいって、途中から伊東のほうが、多分ドイツは相当嫌がるだろうなと思います。
でも今の状況だったら、スタートから伊東でいったほうがいいですかね。
西部 伊東と三笘で行くんじゃないかと思います。久保は後半のどこかで出すというところじゃないですか。出すとしても、2トップにするかもしれないですね。あまり守備の負担をかけるところには出さない気がします。
清水 6月のペルー戦は、久保が入って来てから最初は外に置いていたんですけど、システムを変えて4-2-3-1にしたんですね。勝っていたこともあったんですけど、前に残りやすい10番っぽいポジションに残してあげてという感じで。
その時のスコアによりますけど、そういう起用もするんじゃないですかね。
――浅野拓磨の途中出場はありますか?
清水 そうですよ、それ! 面白いんですよ。ドイツ人に対する嫌味、皮肉という感じになりますし、やってやれっていう気持ちはありますね。
一方で浅野は舞台が大きい時に活躍する選手ですから、親善試合で彼がそんなに違いを出すかっていうと、そんなことはないだろうと僕は思ってるんです(笑)。
西部 じゃあ、W杯まで活躍しないの?
清水 五輪の最終予選でも、韓国相手に決勝ゴールでしたよね。ロシアW杯を決めた最終予選のオーストラリア戦でも。そういう大舞台で、しかも味方も相手も驚くようなゴールを決めるのが浅野拓磨という男。
でも彼が出た時のドイツのスタンドの雰囲気の変わり方は、楽しみですね。
(おわり)
著者プロフィール
西部謙司 (にしべ・けんじ)
1962年、東京生まれ。サッカー専門誌「ストライカー」の編集記者を経て2002年からフリーランスに。「戦術リストランテ」「Jリーグ新戦術レポート」などシリーズ化している著作のほか、「サッカー 止める蹴る解剖図鑑」(風間八宏著)などの構成も手掛ける。ジェフユナイテッド千葉を追った「犬の生活」、「Jリーグ戦術ラボ」のWEB連載を継続中。
清水英斗 (しみず・ひでと)
1979年岐阜県生まれ。プレーヤー目線で試合の深みを切り取るサッカーライター。著書に『サッカー観戦力 プロでも見落とすワンランク上の視点』(東邦出版)、『サッカーは監督で決まる リーダーたちの統率術』(中央公論新社)、『サッカー好きほど知らない戦術の常識』(カンゼン)など。
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