遠藤航がドイツ戦で実証すべきもの これまでと異なる意識で臨む試合でも揺るがぬ「らしさ」

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

 日本代表の練習を終えた遠藤航は、ドイツメディアが構えるテレビカメラの前にひとり座り、終始にこやかに応対していた。

 シュツットガルトで4年間プレーし、自国ブンデスリーガでもよく知られた日本人ボランチは、今季からイングランド・プレミアリーグのリバプールへと移籍。加えて、日本代表の新キャプテンにも選ばれているとあれば、"リベンジマッチ"を前にしたドイツメディアにとって、彼ほど日本の顔にふさわしい選手はいなかっただろう。

「やたら日本チームをリスペクトして、『自信があるだろ』みたいなことを聞かれました(笑)。たぶんドイツも、日本が強いっていうのはわかっているというか、いいメンバーがいるっていうのはわかっていると思うんで。だからこそ、難しい試合になると思うし、いい試合になるかなと思います」

日本代表の新キャプテンを任された遠藤航(写真中央)日本代表の新キャプテンを任された遠藤航(写真中央)この記事に関連する写真を見る 今年6月以来、およそ3カ月ぶりとなる日本代表戦。その間、遠藤はシュツットガルトでブンデスリーガ開幕を迎えながら、直後にリバプールへの電撃移籍を果たした。

「この数週間、かなりバタバタしていた」という遠藤は、だからこそ、久しぶりに集まった日本代表を「自分のなかでは落ち着きどころみたいな感じ」と表現し、「日本人の選手たちとも久しぶりに会えたし、いろんなチームの状況だったり、個人の状況だったりっていうのを日本語で話しながら生活ができるのは幸せなこと」だと話す。

 もちろん、日本代表のチームメイトにとっても、新キャプテンのリバプール移籍は大きな関心事だった。遠藤曰く、「(チームメイトから)別にイジられてはいないかな。なんか『オーラが違う』とか(言われて)......、まあ、イジられているのか(苦笑)。でも別に、周りの反応は『スゴいね』っていうくらいで、特に変わらないです」。

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