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U-22日本代表「背番号10」鈴木唯人がフランスで学んだこと「イングランドの大きさ、速さ、強さには何とも思わなくなった」 (2ページ目)

  • 了戒美子●取材・文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by AFLO

【オランダ戦で証明したかった】

 ただ、相手のレベルが上がれば「自分たちのプレー」はなかなかできなくなってくる。そんな現実を親善試合ながら味わった、ある意味で収穫のある90分間でもあった。

 そもそも鈴木は、6月10日のU-22イングランド代表戦で真逆の感触を得ていた。

 イングランドはオランダと同様、個人の能力の高い選手が揃うものの、リーグ戦が終了した直後ということもあり、どこか試合に入りきれていない状態だったと、複数の選手たちが話している。そんな相手だという前提ではあるが、鈴木も「感触は悪くはなかった」と振り返る。

「(ふだんフランスで戦っている)その感覚に慣れていたのがよかったのかなと、逆に思っていて......。もっと(イングランドは)すごいかなと思っていたんですけど、それもフランスでやっているからか、大きさとか速さとか強さには何とも思わなくなっていますし、それがいい方向になっているんじゃないかなと思います」

 そんなイングランド戦を踏まえて、オランダ戦ではチームとしてのタスクをこなすことに加え、個人としてもテーマを設けていた。

「監督が求めることと、チームがやろうとしていることは、みんなもちろんやると。それはそれでひとつ置いておいて、個々が伸びるための感覚を掴むことであったり、ひとりひとりが個人の勝負でどれだけできるのか、トライすることが一番大事なんじゃないかなって思いますね。

 日本とはやっぱり感覚が違いますし、組織力はある程度、ほかの国に比べたら出来上がっていると思うので、そういったところ(個人のレベル)をみんなが成長させる機会にすればいいんじゃないかなと思います」

 組織力に自信があるからこそ、個人がどれだけ能力を発揮できるかにフォーカスしたい──。それこそが「チーム力向上に直結する」ということを証明したいオランダ戦ではあった。

 しかしオランダ戦は、結果も、内容も、満足のいかないものになってしまった。

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